Fくんの宿題！　その1『Sとディベート』

「せんせー、もう大丈夫なんですか？」
「ゲホッ・・ゲホゲホ」
「あ、ダメみたいですね」
「・・ダメじゃないけど・・良くもないね・・きっと」

まだ、咳き込んでしまいます。久しぶりのアトリエは妙に冷えます。

「せんせーが入院中、Sさんと飲んだんですよ。・・Kちゃんも一緒です。」

そうそう、FとKは付き合ってるんだっけ。

「で、そのとき、Sさんに宿題出されちゃって・・」
「宿題？」
「はい、飲んでる最中に、Sさんが・・」

ディベートをしよう・・と言う話になったらしく・・ディベートとは、御存じかも知れませんが、ある命題に対して、反対と賛成に分かれて論議をする・・と言うと聞こえが良いのですが・・いわば、知的屁理屈合戦です。

「Fくーん、勇気あるねー！Sちゃん大屁理屈女だよ」
「あ・・そうなんですね、やっぱり・・」
「そりゃそうでしょう！おれとの会話聞いたことあるでしょ」
「ええ・・なんか小難しい話してますよね」

「お題は何なの？」
「男と女、どちらが優れているか・・なんですけど・・ぼくが、『女の方が優れている』の側なんですよ。」
「ハハ・・Sちゃんらしいな。で・・どんな展開？」
「はい、で・・ぼく、『女は子供生めるけど、男は生めない』・・って」
「そりゃダメだ。『不妊症の人はどう云う立場・・』とか云われたろう。」
「えっ・・はい。良く判りますねー。」
「あと、『女だけでは聖母マリアでない限り子供生めない』とか・・」
「わ！そのまんま！」

Fは、自分の作品について、かなり理詰めで練り上げるタイプなのですが・・人に伝える折、あまり、論理的とは言えない喋りをしてしまうことが多々あり・・私も注意したことがあります。 多分、Sは、来年NYに行きの決まったFを鍛えてやるつもりかも知れません。

しょうがない・・攻略法・・教えとくか。T大出身の大屁理屈女Sをやり込めるには、それなりの理論武装が必要です。・・さて、必殺の攻略法は・・明日のお楽しみ！