Tとのピロートーク　その2

相変わらず、私の左手を腕枕にして、Tは足を絡ませて私に抱きついて私の胸の辺りで『の』の字を書いている。・・・いつもは、すぐ眠るくせに・・。

「せんせー。何人くらいの女性御存知なんですか？」
「それって、何人とsexしたかって云う意味？」
「はい・・」
「そんなこと聞いて、どうするの？」
「・・いや、嫉妬とかじゃないです。・・ホントはどれくらいだろうって・・単なる興味で。」

昔、Sちゃんにも同じこと聞かれたことあったなぁ。

「・・T、おまえさぁ、これまで生きて来て、どれくらいチョコ食べた？」
「え、そんなの分かりません。・・多分、いっぱい。」
「おれも同じ。数えてないし・・・多分、いっぱい。」
「Fくんが云ってたンですけど・・せんせ－は4桁以上だって・・」
「・・そうだな、5桁は普通の生活では無理だろうからね。」
「・・せんせーは、なぜ、多くの人とsexするんですか？」
「さぁ・・・」

あまり、その問題には立ち入りたくないのですが・・自分では、ある程度、分析出来ているつもりです。ここで、今、それを云う気はありません。

「しあわせですか？」
「しあわせだよ。しあわせだと思えば・・」
「それって、どう云う意味ですか？」
「しあわせである・・と思うのは主観的なことなので、本人がしあわせだ・・と云えばしあわせ。不幸だと思えば、その人の判断で不幸・・・ということかな。」
「・・・なんか、答えになってないですよ・・」
「だから、しあわせだって。・・Tからは、どう見える？」
「・・・結構、無理してるかなって・・・」

無理してみえるのかぁ。・・無理はしたことは、無い・・無茶はするけど。

Tは手探りで、なんとか私を探り当てようと、もがいています。私は、出来るだけ捕まらないように迷彩を張りながらすり抜けて行く気です。・・・T、言葉では私を捕まえられないよ。表面上の出来事も、私の影に過ぎない。・・・本当のことは目に見えない・・『星の王子さま』じゃないけどね。

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