母-15

「・・・直人、聞きたい事が有るの・・・
　言い難い事も聞くけれど、正直に答えてくれる？」
「うん、いいよ、どんな事？」
「ガールフレンドの有香ちゃんとは仲良くやっているの？」
「うん」
「・・・キスとかしているの？」
「えっ・・・」
「答え難いのは分かっている・・・
　でもお父さんが居ないから、お母さんがその勤めもしないと」
「うん・・・まだしてない」
「そうなんだ・・・もう一つだけ・・・
　有香ちゃん以外の女の人と交際している？」
「してないよ」
「だったら、まだ女の人とは経験が無いのね?」
「ある訳ないよ」
「でも、女の人に興味は有るでしょう？」
「そりゃ・・・ある」
「・・・お母さんのパンティを使うのも、それが原因ね？」
「・・・」
「お母さん、怒ってない・・・その逆で嬉しいの・・・
　直人がそんなに大きくなって」
「怒らないの？」
「ええ、怒らない・・・今日は有香ちゃんと、
　もしする事になった時の為に性教育をしようと思って」
「どんな事？」
「避妊って分かる？」
「ああ、分かる・・・子供が出来ない様にする事だろう？」
「その通り・・・だったら具体的にはどうする？」
「コンドームが一番確実で基本かなー」
「そう、コンドームは避妊だけでは無くて、
　病気の予防にもなる」
「エイズ」
「そう、良く知ってるのね・・・コンドームを嵌めた事は有るの？」
「無いよ・・・だってまだ経験も無いのに」
「そうか・・・見た事は？」
「有るよ・・・友達がみんなに見せてたから」
「なる程・・・あれって、結構嵌めるのが慣れないと難しいのよ」
「そうなんだ・・・簡単に着けられると思ってた」
「でしょう？・・・爪なんかで何処かをほんの少しでも
　傷付けると、役目を果たせ無くなるの・・・だから、
　慣れないと駄目・・・分かった？」
「うん、分かった」
「今から、それの練習をするから」
「えっ、ちょっと待って、僕が着けるの？」
「当たり前でしょう・・・お母さんはおちんちん持ってない
　じゃない」
「お母さんの前で・・・すると言うの？」
「そう、これはお父さんの役目なの、本当は」
「だから、お母さんをお父さんだと思いなさい」
「そんな事思えないよ」
「無理やりでも思いなさい」
「だって恥ずかしい」
「お母さんだって恥ずかしいわよ・・・だって学校で
　教えてくれた？」
「ううん、教えて貰ってない」

　　　　　　　・・・つづく