母-8

「お帰り・・・またずっとゲームでしょう」
「うんそう・・・ご飯出来たら呼んで」
「はいはい、今夜はハンバーグよ」
「美味しそう」

　　　２階に上がって行く直人を見て、悪いなーと思う
　　　お父さんっ子だったし、日増しに主人に似て来る
　　　まだ一回り以上小さいけど、大学の時の彼に
　　　そっくりになってしまった
　　　

「ご馳走様・・・何時もながら美味しかった」
「そう、良かった・・・お風呂に入ってしまいなさい」
「うん、そうする」
「頭も丁寧に洗うのよ」
「分かってる」

　　　洗濯をしてしまおうとお風呂場のドアを開けて、
　　　何とはなしに中を見た
　　　立ってシャワーに掛かっている直人がぼんやりと
　　　見える
　　　
　　　えっ？
　　　
　　　そんな、でも手のあの動かし方
　　　自慰してる
　　　中学の３年生
　　　
　　　私はどうだった？
　　　ええ、していたわ
　　　シャワーを強くあそこに当ててもしてた
　　　へー、そうなんだ
　　　自分の子が、オナニーをする歳になったんだ
　　　
　　　見ては駄目
　　　ドアの外に出て閉め様とノブを掴んだけど、
　　　閉められない
　　　少しだけ開けて
　　　目が離れない
　　　
　　　身体が揺れ出した
　　　もう直ぐなんだ
　　　手の動きがますます速くなる
　　　うっ、と小さく叫んだ
　　　出たのね
　　　気持ち良かった？
　　　
　　　あー、ガラス戸が邪魔
　　　目の前で見てみたい
　　　もう３年一緒に入って無い？
　　　いや４年？
　　　ちっちゃかった直人のおちんちん
　　　今はどうなっているんだろう？
　　　もう毛が生えているの？
　　　皮は捲れているの？
　　　どんな形？
　　　どんな色？
　　　
　　　母親には見る権利は無いのだろうか？
　　　無いわよね、そんな事
　　　でも、見てみたいなー
　　　そっとドアを閉めてキッチンに戻っても、
　　　さっき見た光景が目から離れない

　　　　　　　・・・つづく