【魔法少女カーマイン】08-3　変身する暇もない！

「カンガル～！」
茜を追い回す怪物。先程パトカーに速度違反で追われていたから、すぐに追い付くのは可能だが、敢えて追い付かない速度で追い、恐怖感を与える。
「はあはあ……やぁぁ！」
運動に自信ない茜の体に限界が近づきつつあった。
「カンガル～！」
それでも迫り来る怪物。
「大丈夫か」
久保田が駆けつける。
「ふははは！王子よ。いよいよ年貢の納め時だ」
子袋中の菅ダフィの指示で、怪物は巨体を俊敏に肩慣らしする。
「カンガルカンガル～！」
バゴぉ
闘い方を学びきった、怪物の敵ではなかったようだ。
「クポー！」
妖精に戻るクポー。小柄なからだを神出鬼没にする戦略に変えて防戦する。
「今のうちに変身するクポー」
「はあはあ……はい」
ラウンドドライバを構える茜。
「そうはさせん」
子袋から跳び出て、菅ダフィが茜に迫る。
「へ、変身くらいさせなさい」
「ふははは。やなこった」
赤子を扱うかのような格闘をする菅ダフィ。わざと打撃しないのは彼の余裕を示す。

「はいストーップ」
校舎の三階から叫ぶ小春。
「とおっ」
三階の窓から跳び、ラウンドドライバに風力を与えて魔法騎士に変身する。
「名乗り省略きーっく」
「カンガル！」
頭部を蹴られて苦悶する怪物。
「キックボクシングに顔面は反則じゃないか」
抗議する菅ダフィ。
「知らんがな」
チーン
股間を蹴られて苦悶する怪物。
「だってあなたたちはこの世を乱れさせる侵略者。あたしはこの世を護るせーぎのみかた！茜は優しいけどあたしは厳しいのよっ」
空から宅配便が落ちてくる。
べりべり
容赦なく伝票と梱包を剥がし。中身を構える。
「集まれ、星に託された願いよ。ミッドナイト・ベル！」
チリーンチリーン
「ぐぎゃああ～なんだこの音色は」
苦しむ菅ダフィ。

続く！