【魔法少女カーマイン】上司、教育！

ここは悪の根じろ、ネオバベルの塔。それは砂の海に隠されている。
「誰だ？「ロケ地：鳥取砂丘」っていう立て札掛けた奴は」
律儀に立て札を片付けるこの男。名はアドルフ。ネオバビロニアの4将軍のひとりである。
「アドルフ様、只今戻りました」
「おお菅ダフィ。よくぞ無事に戻った。聞くと立て続けに魔法騎士の復活に遭遇したようだな。この不運者め」
なでなで…。
アドルフは菅ダフィ大差の直接の上司である。
「次こそは必ずや、奴等を倒し、聖杯の在りかを見つけます」
「いや。次は私が出る。魔法騎士対策のためにはネガイナーを使いこなす必要があるからな。着いてこい」
「はっ！」
次の瞬間、ふたりの姿が消える。

「魔法少女になっちゃった」
「あはは。何いきなりなんです？小春。魔法少女って何のことですかあ～」
茜はしらばっくれるが、長年付き合ってる小春にはバレバレであった。
「あたしゃ久保田先生の正体も知ってるよ」
小春はスラスラと妖精姿の彼を描いて見せた。
「あはは……」
苦笑いする茜。
「そういうわけだから、世界の平和はあたしに任せちゃってよ。茜はいつも通り、日常を謳歌して！」
にこやかに茜の肩を叩く小春。

「何者だ！」
用務員が怪しいふたりにとう。
「掃除のおばちゃんで～す」
変装したアドルフが答える。
「ご苦労様です」
すんなり学校に侵入成功するアドルフと菅ダフィだった。

放課後、吹奏楽部室。
「ここにしよう」
勝手に入る掃除のおばちゃんアドルフ。
「なぜです？」
ちり取りを持ちながら、菅ダフィも続く。
「強化ネガイナーの素材があるからだ」
「へぇ」
アドルフはポケットから黒いカードを出す。
「ネガイナーはこの世界にある「願いのチカラ」を集めて悪に作用させて作った我々の生体兵器」
「説明台詞ですか、アドルフ様」
「カードに入った状態では、ネガイナーの素材はせいぜい2、3くらいでしかない。その程度では街を破壊することはできても、魔法騎士対策には不充分だ」
「へぇ」
アドルフは部室にあるラッパを手に取る。
「この道具、かなりのチカラがあるな。これに……」
「ち、ちょっと、何してんのよ！掃除のおばちゃん！」
ラッパの持ち主の吹奏楽部員、長井樹理が慌て駆け寄った。
「それはわたしの大切な……」
「素晴らしい！出でよネガイナー！この道具を取り込み、我に従え！」
カードが黒いもやもや化し、ラッパに取りつき、取り込む。
「コアラッパ～！」
なんと、ラッパはコアラとユーカリの葉と合成された怪獣になってしまった！
「コアラッパ～！」
ボエー
「きゃあああ」
ラッパから出た衝撃波で樹理は廊下に吹き飛ばされる。
「なんというチカラだ」
強化ネガイナーとやらに菅ダフィは驚く。
「さあ、魔法騎士を倒すぞ」
コアラの背後に続くアドルフ。
「だ……誰か助けて……」
絶望感にうちひしがれながら、樹理は叫ぶ。
「はいは～い。正義の味方、とーじょー！」
小春が駆けつけた。
「た、高瀬さん……私のラッパを……がくり」
気絶する樹理。
「寝てて。よーし変身だ～！」
ノリノリでラウンドドライバを持つ小春。
「待ってください、小春」
小春の腕をつかむ茜。
「わたしも闘います！闘わせて！」

続く！

【カード紹介】
ネガイナーは更に「願いのチカラ」のこもった道具などを「ぶれいぶ」することで、格段に能力をアップするのだ！