【魔法少女カーマイン】将軍、信念！

「とぉっ」
「クエッ～！」
「助かった…誰…？」
「こんばんはだ」
振り返る。それは敵である筈のアドルフ将軍だった。
「ど、どうして？」
「菅ダフィよ、この作戦はどういう事だ？」
アドルフは答える代わりに部下である菅ダフィ大差に尋ねた。
「はっ！強姦魔を宛がい、魔法騎士の貞操を奪う事で、魔法騎士の魔力と願いのチカラを激減させようという策にてございます。アドルフ様」
アドルフの表情は茜の視点では見えない。
「お前の割りにはなかなかの策だ」
「ありがとうございます、アドルフ様」
「しかし、その策は許さん！」
アドルフは怒声をあげた。
「我々は誇り高き帝国軍人だ。もしその策を使うと言うなら…それはあいつらと同じ事になる…姑息な真似だけはしてはならぬ！」
「アドルフ様……？」
「アウシュビッツソード！」
ざしゅううう……
アドルフは怪物を剣で斬りつけた。怪物の仮面が割れる。
「ぐおおお……俺は…俺は…」
怪物の人間の顔が露になる。
「外道が、しにさらせ」
アドルフは怪物の腹を容赦なく蹴り潰す。
「クエックエックエッ～！」
悲鳴をあげる怪物。
ざしゅ。
アドルフは振り返ると触手を斬り飛ばし、優しい表情でこう言った。
「魔法騎士よ。すまんな。次は正々堂々とお前たちに勝負して勝つ！約束だ……」
上着を脱いで、茜のところにかける。
「ではな。帰るぞ」
「アドルフ様、ネガイナーは……」
「あんな醜悪なカードは要らん。帰るぞ」
アドルフが菅ダフィを連れて消えて行く。
「なんだか知らないけどチャンスクポー」
「……変身……」
ぼおっとしながら、茜はカーマインに変身する。
「…カーマイン・ファイヤー」
「ぎゃあああ！」
アドルフの攻撃による傷で弱っていた怪物は呆気なく撃破される。
「回収クポー！」
クポーの小瓶にまたひとつ結晶が溜まり、怪物の姿はひとりのサラリーマンとモリガナのお菓子に戻る。ちなみにモリガナのお菓子のパッケージは金の天使だった。
「缶詰ゲット……」
「とりあえず、この男は警察につき出すクポー」
クポーは人間体に戻り、サラリーマンに肩を貸し、その場を去っていった。
「……」
程なくして時が動きだし、裂かれていた茜の衣服は戻っていた。
夢だったのだろうか。
「ただいま～」
父が帰ってくる。
「おや、この軍服、なかなか珍しいなあ～」
茜の足元にある服を手にとり、父はしげしげと見つめる。
「部活で作ったのか？良い出来だなあ～」
それはアドルフがおいていったものだった。
「うん……」
ぼおっとしてる茜。なぜぼおっとしてるかは自分でも良くわからなかった。

ちゃんちゃん。

【良い子の諸君！】
小春「あたしの出番がなくて悲しい良い子の諸君！良くクリエイター気取りのバカが……」
茜「はいはいペンタゴンペンタゴン……」
小春「テンション低いね。でもちゃんと締めるよ。ニッ！」
キラーン