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冬の彼方へーーー秘密7

2015年01月12日 03:40

冬の彼方へーーー秘密7

痛っ…
美紅は思わず痛みを感じて目が覚めた。
身体を起こそうとすると今度はズキン…と鈍い痛みが左足に走る。
何の痛みなのか瞬間には思い出せず、美紅は半身起こしたまましばらくぼんやりした。
そういえば…昨日店を出てからぶつかった…
看板に当たって転んで足を捻ったんだっけ…
頭の中でようやく整理をつけると、その後の神崎との出来事が蘇ってきた。
あの後…公園で…。
2人が狂おしく求めあったこと…
美紅も自ら神崎を自分の中に挿入し続けたこと…
月明かりの冷たい空気の中で、2人が白く熱い吐息を交わした、夜…。
思い出すうち、美紅はまたしても自分が濡れてきてしまうのを感じざるを得なくなり、
そっと股間に手を当てる…。
まだ欲しいのか…それほど昨夜の事が頭から離れなくなった美紅は、
懸命にそれを振り払おうと二度三度首を振り、ようやくベッドから起き上がった。

リビングに行くと既に達也が起きて新聞を読んでいた。
おはよう、美紅が声をかけると達也はやっと気づいたように顔を上げた。
「あー、おはよ…?ん?どうしたの、足」
美紅は昨夜転んだせいで足を捻った事を説明した。
痛くて駅から歩いて帰るのが辛かったこと、ゆっくり歩いたので遅くなってしまったこと、
と嘘をついて…。

ああ、私は秘密を持った…夫に言えない秘密を…。
コーヒーをすすりながら美紅はばれないように視線をマグカップの底に落とした。

このウラログへのコメント

  • けろ 2015年01月12日 21:22

    う~ん、このような経験があるから書けるのかな?続きが楽しみです。
    次の情事、どうなるかな?

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