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じぃんときた話…ぼくのお父さん

2012年04月02日 20:37

じぃんときた話…ぼくのお父さん

こっそり読んでね♪


小学生の時僕はイジメられていた。

無視されたり叩かれたり…死にたいとは思わなかったけど学校に行くのはとても辛かった。

イジメをするのは一部のクラスメートだけだったけど他の子達は自分もイジメられるのが怖くて、誰も助けてはくれなった。

ある日授業で[自分のお父さん]の事について作文を書く授業があった。

先生は何でもいいんだよ。

遊びにいった事とかお父さんの仕事の事とかでいいと言っていた。

けど僕は中々書く事ができなかった。

クラスの子達は皆楽しそうに書いている中、僕一人教室のなかでひとりぼっちだった。

結果から言うと作文は書いた。

書いたのだが[自分のお父さん]というテーマとは違う事を書いた。

後で先生に怒られるかも…またこれがきっかけでイジメられるのかなと子供心にとても不安だった。

でもそれしか書けなかった。

作文は授業の終わりと同時に集められ先生は「じゃあ来週発表会をします」と言った。

先生はそのまま教室を後にした。

その後は頭を叩かれてイジメられている普段の僕がいた。

「じゃあ今日は発表会をして貰います」

今日は作文の発表会の日。

先生が選んだ中から順に書いた本人に読んでいって貰いますと先生は言った。

「僕のお父さんは…」

「私のパパはよくおならをします」

クラスの子達の面白い文章に皆笑ったり、お父さんの仕事に驚いたりしていた。

でも僕は全然聞いていなかった。

ただひたすら「僕の作文は選らばませんように」ただ祈って下を向いているだけだった。

発表会は順調に進みあと10分で授業も終わる所まで来ていた。

僕は少し安心していたのだがその期待は無駄だった。

「じゃあ最後に〇〇君に読んで貰います」

頭の中は真っ白だった。

「あの、先生…僕はお父さんの事書いてないです」

クラス中から非難の声が上がった。

バカじゃねえの?廊下に立ってろよオマエ

様々な声が飛び交ったが非難の意見は皆一緒だった。

もうどこにも逃げられなかった。

「静かにしなさい!」

突然の大声に教室は静まり返った。

「先生はどうしても読んで貰いたいの。だから皆聞いて下さい」

「さあ読んで下さい」

「僕のお父さん」

「僕のお父さんはいません。幼稚園の時に車にはねられて死んだからです。だからお父さんと遊んだのもどこかへ行った事もあまりありません。それにお父さんの事もあまり覚えていないです。写真があるので見ましたが覚えていないです。だからお祖母ちゃんとお母さんのことを書きます。お母さんは昼間仕事にいってお父さんののかわりに働いています。朝早くから夜遅くまでいつも働いています。いつも疲れたといってますが甘いお菓子や鯛焼きを買ってきてくれるのでとても大好きです。お祖母ちゃんは元気で通学路の途中までいつも一緒に歩いてきてくれます。ご飯は皆お祖母ちゃんが作ってくれてとても美味しいです。お母さんが働いているので父兄参観の時にはお祖母ちゃんが来てくれます。皆はお前の母ちゃんババァなんだとからかってくるので恥ずかしかったけどでもとても優しいいいお祖母ちゃんです」

「だからお父さんがいなくても僕はあまり寂しくありません。お母さんとお祖母ちゃんがいてくれるからです。お母さんはお父さんがいなくて御免ねと言ったりするので早く僕が大人になって仕事をしてうちの家族のお父さん代わりになってお母さんとお祖母ちゃんの生活を楽にしてあげたいと思います。だからお祖母ちゃんには長生きしてねといつもいっていて、お母さんにはいつも肩をもんであげています。二人とも泣いたりするのですこしこまるけどそんなお母さんとお祖母ちゃんが僕は大好きです」

一気に僕はしゃべった。

先生には死んだお父さんのことを書けばいいのにと言われると思ったし、クラスの子達からはお前お父さんがいないのか?もしかして捨て子だったんじゃねえか?とまたイジメられるのかなと思ったりしていた。

顔をあげる事もできなかった僕は救いを求めるように先生の顔を見てみた。

先生は立ったまま泣いていた…

先生だけではなかった。

他の子たちも皆泣いていた。

僕が始めて好きになった初恋の子は机にうずくまって泣いていた。

イジメていた子達も皆泣いていた。

でも僕にはなぜ皆泣いているのか分からずにいた。

どうして?

お父さんがいないからお母さんとおばあちゃんの事を仕方なく書いたのに。

どうして皆泣いているのだろう?

「〇〇君…」

「はい…」

「先生は人の心が分からないダメな先生でした。御免なさい。世の中には親御さんのいない子もいるのにね。そういう子達の事も頭になくてお父さんの事を書いてだなんて、あなたの事も知らなかったとはいえ本当にごめんなさいっ」

先生は顔を覆ったまま泣き崩れていた。

それがその日起こった出来事だった。

次の日からなぜかイジメられなくなった。

相変わらず口悪くからかったりはされたけど殴られる事はなくイジメのリーダー格の子に遊びに連れていって貰えるようになった。

先生はその後の家庭訪問でその日の出来事をおばあちゃんに話して謝っていた。

作文の事は僕は話もしていなかったので少し怒られたけど話を聞いた母も、今は亡くなったばお祖母ちゃんも嬉し泣きみたいなくちゃくちゃの顔で叱ってくれた。

僕も立派な人に誇れるような仕事はしていないけど、家族のお陰で一人前の大人の男にはなれたとは思う。


人は相手のことを100%知ると嫌いにはなれないといいます。嫌な人、苦手な人、罪を犯してしまう人…
色んな人がいるけど、相手の育った環境や相手に起きた過去の出来事等を知ると許せちゃったりするね(勿論、犯罪は罪を償ってからですけど)♪
もし目の前に、皆からいじめられてたり嫌われていたりする人がいたら、1度話を聴いてみるといいかも。

このウラログへのコメント

  • ゆうき2 2012年04月02日 22:18

    最近は嫌がる人が多いようですが、関わる事が自然だと思い。
    一人は寂しいでしょ!?

  • 秀55 2012年04月02日 23:06

    ななさん♪にまたまた感動して!泣かされた!!すべての人のこころの底とその成り立ちを知りたくなった。

  • なな♪ 2012年04月02日 23:44

    秀55さん:まずは身近な人から。嫌だと思ってた人のこと知ったら新たな目で相手を見れるかも

  • なな♪ 2012年04月02日 23:45

    ゆうき2さん:1人がずっと続くとやはり寂しいですね

  • なな♪ 2012年04月02日 23:58

    ひろしですさん:ですね♪特に母親とおばあさんの愛かな

  • ベソ 2012年04月03日 00:16

    結論には同意できないけど、大変ええ話を有難う。わしももらい泣きしてもうた

  • なな♪ 2012年04月03日 00:37

    ベソさん:有難うございます色んな考え方の人がいますね

  • なな♪ 2012年04月03日 23:51

    チョッピーさん:あらら子供の頃はあまり気にしないでというか知らない事が多いからね

  • kaz 2012年04月04日 17:50

    はじめまして。
    何故?
    会社にいるのに
    涙がでました。
    これからも、閲覧させてください。

  • なな♪ 2012年04月04日 23:36

    kazさん:嬉しいです♪是非またきてください嬉しいな

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