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銀河系規模の「男は顔じゃねえ」

2019年10月27日 21:04

銀河系規模の「男は顔じゃねえ」

昔々あるところに。
巨大で強くて恐ろしいバケモノがおりました。

その「彼」が。
ある時、美しい人間の娘に恋をしました。
自分がバケモノであることの自覚が薄かった彼は、
何も考えずに娘に近づきます。すると娘は悲鳴を上げて逃げ惑い、
「彼」はそれを追いかけて追いかけて。

娘は崖から落ち、あっけなく絶命してしまいました。

「彼」は嘆き悲しみました。
何とかして、娘を生き返らせたい。その為なら、何だってできる。
そんな「彼」が縋ったのは、古い言い伝えでした。

「1000の星を滅ぼし、1000の「死のエキス」を集めた者は、銀河の神となれる」

「彼」は。
迷うことなく、これを実行に移すことにしました。
しかし、いくら彼が巨大で強いバケモノといっても、独力では不可能です。
しかし、バケモノな自分は他人から拒絶されてしまう、と身に染みて学んだばかりです。

そこで。
「彼」は自分の超能力を使って、空に大きな幻影を映し出し、その幻影に喋らせました。
その幻影に、自分の身代わりをさせたのです。自分の思う、最も美しい幻影に。

そう。あの娘です。
空を覆い尽くす巨大な幻影として、あの娘の姿を映し、その幻影に喋らせたのです。
「1000の星を滅ぼし、我に捧げよ」と。
女神のように美しく、魔王のように恐ろしげで、何よりも荘厳なその幻影……
後に「極光(オーロラ)の悪魔」と呼ばれ恐れられる、銀河皇帝がここに誕生しました。

時が流れて。
「銀河皇帝メドー」の圧倒的なカリスマのもとに集った猛者たち、
「銀帝軍ゾーン」は、銀河の星々を凄まじい勢いで滅ぼしていきました。
その数は、999。そして、遂に「彼」は辿り着きました。最後の目的地に。

「あれが……あれが、1000個目の星……あの星を滅ぼせば、
メドーを生き返らせることができる……さあいくぞ、あの星へ! 『地球』へ!」

しかし。
「彼」こと、「銀河超獣バルガイヤー」は知りませんでした。

かつて、ゾーンの襲撃を受けて殺された、ある科学者夫妻。
その二人が、自らを犠牲にして、幼い5人の子供たちを地球へ逃がしていたことを。
その子供たちが成長し、ゾーンの襲来に備え、迎撃準備を整えていたことを。

両親の仇であり、地球への攻撃を始めたゾーンに立ち向かう、五人の兄弟。
その名は……

https://www.youtube.com/watch?v=ziU-Miq1zbc

さて。
このバルガイヤーは、40年を越える、つまり40作品を越える
戦隊シリーズの歴史の中でも、最強最高候補の首領様です。
私ら戦隊オタの中でも、極めて評価の高いラスボスです。

組織運営や領土統治は完璧、個人としての強さも凄絶の一言。
最終回戦隊ボロボロにやられて、
誰がどう見ても勝ち目はありませんでした。

ところが。
戦隊の活躍により、封じられていたメドーの魂が解放され、
彼女自身の口からきっぱりと、バルガイヤーは拒絶されてしまいます。
その時、綺麗に保存されていたメドーの遺体も、魂の離脱とともにミイラ化。

それでバルガイヤーは絶望して泣き叫び散らし、パワーが大幅ダウン。
その隙を突いて、戦隊奇跡の大逆転勝利! という……

この、メドーに拒絶された時。
バルガイヤーが怒り狂って凶暴化していれば、それもまた
戦隊の勝ち目は消えて簡単に皆殺し、地球滅亡となってました。

そうはならず、ただただ泣き叫んだから、彼は敗れ、死んだのです。
銀河を震撼させた悪の首領、あまりにも強すぎたバケモノの彼が、です。

バルガイヤーにとって。
巨大な組織を創り上げて999もの星を滅ぼした原動力、
圧倒的な力で絶対勝てるはずの戦いに脆くも破れた敗因、
どちらとも、たった一人の女性でした。

男を奮起させて、強くするのは女。
だが絶望させて、弱くするのもまた女。

そんなことをしみじみ思わせる作品です。


……実は次年度の「鳥人戦隊ジェットマン」も、
全く違う作風(戦うトレンディドラマ、なんて言われてます)ながら、
同じようなテーマを取り上げています。

物語としての設定・展開はもちろん違いますが、
戦隊を圧倒する最強最後の敵が、女絡みの弱点を突かれて負けて終わり」
という点はきっちり同じです。

当時の戦隊シリーズは、いろいろ濃かったのですよ。


☆☆ほんでもって☆☆

ゾーンの首領の正体が、美しい女神ではなく醜いバケモノだと知れた時。

ゾーンの男性幹部たちは困惑しつつも継続して仕えましたが
(外見はどうあれ優秀なボスだから)、女性幹部は耐えきれず、
発狂してしまいました。私はこんなバケモノの為に働いてきたのか~! と。

これは幹部たち側の性別のみならず、バルガイヤー自身についても、
彼が男性であったから外見を重視されなかったのかも、という見方もあり……

「男は顔じゃねえ」つくづく深い真理、そして心理です。男女双方の。


いやまぁもちろん、メドーさん本人には何の非もない、
文字通り巨大な迷惑だったわけですけどね。

このデジログへのコメント

  • eri 2019年10月27日 22:04

    「女は顔じゃねぇ」とは

    男女双方とも思っていないってことだよね。

  • けーでぃー 2019年10月27日 22:13

    > eriさん

    女性が男性に求めるとされる「高学歴・高収入・高身長」も、「顔」は入ってませんしね。
    女性に人気の宝塚もプリキュアも、美人ばかりです。
    女性に対しては容姿重視、それは男女共通のこと。

  • はぎんちょ 2019年10月28日 00:11

    私も顔じゃないと思いますよ~

    好みはあると思いますが( ´∀`)

    男性は同性の顔とか、気にするのかしら。。

  • けーでぃー 2019年10月28日 21:02

    > はぎんちょさん

    高校が男子校でしたが、
    どんな不細工もコンプレックスにならず、どんな美形も自慢にならず、でしたよ。
    妹曰く、女多数の場ではそうはいかない、との話でしたが。まぁ場所にもよるかと。

  • とめを 2019年10月30日 10:43

    この手の話っていつも思うんですが、男は顔じゃない心だよと言っておきながら
    女は顔だって言ってるんですよね
    必ずこういうのの相手って「美女」でしょ?

  • けーでぃー 2019年10月31日 21:05

    > とめをさん

    金持ち男が、大金を貢いでまで美女を求めるという話はあっても、
    その逆は聞きません。「美+女」と「美+男」では、前者の方が
    強い効果を発揮する、より有効な組み合わせってことです。

  • けーでぃー 2019年10月31日 21:09

    > とめをさん

    アドレス指定できないのが辛い……私の2014/9/20を
    ご一読頂ければ幸いです。「容姿という項目」への差別。
    >人の長所を、長所と認めてきちんと褒める。
    >それの何が悪いのか?

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