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君の友だち

2006年10月27日 03:02

君の友だち

ここだけの話だけど、僕は象と友達になったことがある。正確に言うと雌のインドゾウだ。

実家から歩いて数分ほどのところに動物園があって、子供の頃、学校が終わるとよく通っていた。そこは市が経営している動物園で、今では大人300円・子供150円の入園料を取られるのだけど、当時は無料だったのだ。だからほぼ毎日通った。

園に入って真っ先に向かうのがインドゾウの檻だった。キリンとかサイとかインパラには目もくれなかった。僕はいつでも、最初から最後までインドゾウの檻の前にいた。

インドゾウは雄と雌が1頭づついた。
最初のうちは、2頭とも来場者(僕を含めて)にはまったく関心をもっていない様子だったけど、2週間くらい通ったある日、雌のゾウが僕の方に鼻を伸ばしてきた。突然のその行動に驚いて、僕は怖くなって檻を離れてしまった。確かそのまま家に帰ったと思うけど、夜になっても、こちらに向かってきたゾウの鼻が頭から離れなかった。ゾウの鼻は、正面から見るとそれ自体が生き物のようで、ちょっと気持ち悪かった。

中3日くらい開けて、また動物園に行ってみた。そのままインドゾウの檻へ向かう。しばらく立っていると、やはり雌のゾウがこっちに近付いて来た。そのまま明らかに僕に鼻を伸ばしてきた。隣りにいた大学生くらいの男女(当時の僕から見たらお兄さんお姉さん)が、僕の前に割り込んできた。彼らは目の前のゾウの鼻を指差して下品な声で笑っていた。ゾウはゆっくりと向きを変えて奥へ下がってしまった。

翌日(だったと思う)、再び動物園に行った。
いつものようにゾウの檻まで来たが、その日は僕は檻からちょっと離れていた。
他のお客さんがいなくなった隙を見て、檻に近付いた。
雌ゾウがゆっくりと歩いて来た。檻の前に着くと僕に鼻を伸ばしてくる。改めて見たけど、ゾウの鼻はやっぱり気持ち悪かった。鼻の穴から鼻水がポタポタ落ちていた。
鼻は、手を伸ばせば確実に触れる距離にあった。触ろうと何度か思ったが、とうとう触れなかった。周りを見回すと、他にお客さんは誰もいなかった。誰にも見られてないので、触ったことにしようと思った。そのまま満足して家に帰った。

その後も動物園には何度も通った。僕がゾウの檻の前に行くと、やはり雌ゾウは鼻を伸ばしてきた。

この間その話を妻にしたら、なぜか怒られた。どうして今まで話さなかったんだ、と責められた。
そして今度の休みに娘も連れてその動物園に行くことになった。そのゾウに久し振りに会いに行くことになった。
ゾウって比較的長生きする動物だけど、まだ生きてるんだろうか。生きてたとしても、果たして僕のことを覚えてるんだろうか。もし覚えていてくれてたら、娘に紹介しよう。すごく尊敬されるに違いない。


Tapestry/Carole King

このデジログへのコメント

  • banana_record 2006年10月28日 00:38

    ところが週末は仕事が入ってしまって、我が家ではいま冷ややかな空気が流れています。

  • banana_record 2006年10月28日 21:50

    dodoさん、ありがとう。本当にそうだといいですね。でも、そうなると娘は確実に泣き出すと思います。

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