- 名前
- banana_record
- 性別
- ♂
- 年齢
- 51歳
- 住所
- 神奈川
- 自己紹介
- 人の話を聞く選手権県大会3位の実力です。聞こうじゃないですか。
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雪が降る町
2006年12月13日 11:27
もう10年以上前の話になるけど、一時期ストリートライブというものをやっていた。
一時期なんて言うと、何年か続けていたように聞こえるけど、実際やったのは3回だけだ。それも何かの罰ゲームみたいなことがきっかけだった。友人たちと飲んでいる席で、何かゲームをやって、僕ともう一人が負けてしまった。たまたま僕たちが2人ともギターを持ってるということで、それじゃ路上ライブやれ、ということなった。その場の空気や酔った勢いもあって、「やってやる」と言ってしまった。
僕たちは一旦家に帰ってギターを持って来て、車の中で簡単なリハーサルをして、ほとんどの店がシャッターを閉めた商店街でデビューを飾った。でも当たり前の話だけど「この思いを聴いて欲しい」とか「いつかメジャーデビューを果たしてやる」という前向きな野望なんてものはなく、「出来ればあまり聴いて欲しくない」という極めて消極的な心構えでのライブだった。レパートリーだって、歌詞を知ってて何とかコードを弾けるサザンとミスチルとちょっと古いフォークソングの数曲だけだ。
そんなお粗末なライブを立ち止まって聴く人などいるはずもなく、ひどく寂しい気持ちになった。前を通るほとんどの人が見て見ぬ振りをしていた。1人だけ、50歳代くらいの会社帰りのサラリーマンが足を止めてくれたが、10秒くらい聴いて会釈をして立ち去ってしまった。
季節はちょうど今ぐらいで、外で座っていると体も冷えてきた。酔いなんて一気にさめた。
ところが不思議なことに、何度か繰り返しているうちに演奏が確実に上手くなってきてることに気付いた。2人の演奏がビシッと合ったりするとものすごく気持ちよく、嬉しくて大騒ぎした。
それでも立ち止まる人などいなくて、離れた所から見ていた友人たちも、途中でいい加減憐れに思えたらしく(というか飽きてきたらしく)、1時間ほど経ってから「罰ゲーム終了」を言いに来た。僕たちはそこで解放されたのだが、正直もうちょっとやってても良かったと思った。一緒にやった友人にそのことをこっそり言うと、実は自分もそうだと彼も白状した。
次の日から、夜家に帰るとほぼ毎日のように僕はギターの練習をした。友人も同じだった。
僕たちは課題曲を4曲決めた。そのうちの2曲づつをそれぞれが歌うことにした。彼が選んだのはCCRの「雨を見たかい」とサザンの「わすれじのレイドバック」だった。僕は悩んだ末に、ビートルズの一番好きな「レイン」という曲とユニコーンの「雪が降る町」にした。
今にして思うと、どういう訳か雨とか雪の歌ばかりだ。
一週間、僕たちはこの4曲をそれぞれの部屋で毎晩自主練習した。
金曜日の夜、レンタルスタジオに入って合わせてみた。
もちろん最初から上手くはいかなかったけど、繰り返しているうちに何とか人に聴かせる程度のモノになった(と思う)。「レイン」は英語ということもあって、歌にやや怪しい部分があったが、「雪が降る町」は、自分で言うのも何だけど、結構いけると思った。彼の方は素晴らしい発音で「雨を見たかい」を上手に仕上げた。
そこで僕達は調子に乗ってさらに1曲レパートリーを追加した。それは、ちあきなおみの「喝采」で、友人の持ってきた「歌本」の中から選んだ。2人とも歌詞とメロディを知っていたからというのが選曲の理由だけど、正直ウケ狙いもあったと思う。
土曜日の夜、僕たちはギターを持ってまた商店街に行った。
(たぶん年内中に続く)
Very Best Of Unicorn/ユニコーン
このデジログへのコメント
「やる気があるんだかないんだか分からない」感じでイケてました。つまり奥田民生のたたずまいです。
この面白いログの続きはまだですか?笑。
またひょこっと遊びにきますね♪ヽ(^▽^)/
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