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【魔法少女っ】68-6、魔法少女っ再び!

2012年04月21日 06:32

演劇部部室。
「世間はゴールデンウィークですっ」
連休を素直に喜ぶ茜。
「あたしゃむしろ忙しいよ」
「庶民は羨ましいですわぁ」
ため息をつく小春千歳
小春の母は開店したての蕎麦屋なので、GWは勝負の時期だ。
千歳金持ちの家なので、逆にGWはビジネスチャンスとして忙しい。
「そんなぁ~ですっ」
連休は三人一緒に遊べると思った茜はがっかりである。
「はぁ~。寂しいですっ」
「気落ちしなくていいよっ。あたし達の分も楽しんでだよ」
にぱぁと微笑む小春
「むしろ選択肢無限大ですわ。小春の店を手伝うかわたくしの外遊に同行するって手もありますわ」
千歳、茜は猫の手じゃないよ」
小春の店は忙しいが繁盛して猫の手を借りたい意味ではない。母やスタッフと協議して店の方向性を定める意味での事なのだ。むしろ猫の手は邪魔なのだ。
「例えばのお話ですわ」
千歳も折り込み済みだ。茜が同行したって以前のサラに匹敵する働きには成らない。
がらっ。
あらあらこんばんは~」
「……遊びに来た」

もっと忙しいそうな二人が訪れた。琴も有希も各々の立場に加えて大学受験が控えているのだ。しかし以前のようにスイーツ差し入れる琴だった。
「ありがとうございます」
三人は頭を下げて、テーブルの席に二人を誘導する。
「今日は折り入って頼みがあるの~」
「……よろしく頼む」
琴と有希が各々違うチラシを出す。
「春期泳法記録大会」
演劇シンポジウム会」

「かずねちゃんの応援観戦に来て欲しいの~♪誰かいないかしら」
「……演劇人として大いに参考になる講演会だ。無料だから暇な人は行け」

小春千歳が茜を指差す。
「決定ね♪当日は腕を奮ってお菓子をつくるわ。うふふ」
「……講演会の傾聴にも糖分が要る」
「わかってるわよ~」

「うーん。アドルフさんとチャット三昧のつもりでしたが……」
存外インドアな茜だった。

夕暮れの帰路。
「しかし、街は平和だよね~」
「そろそろ腕がなまりますわ。またネガイナーでも出てきてくれたら」
不謹慎な事を言う千歳
「出てきてくれませんよ。スターリンさんは旅に出てますし」
「そりゃそうだけど」
小春はその先の言葉を言わなかった。
ネオバビロニアを退けて、日常を取り戻した魔法少女隊。しかし日常は特に脅威がなくても移り変わりするのだ。それに気づいた小春魔法騎士に変身せずとも、かけがえのない日常をかけた闘いは続いているのだ。
「みんなありがとう!」
「え?」
茜と千歳小春の顔を見る。
「なんとなく、そう言いたい気持ちだったんだよ」
「そりゃわたしもですっ」
「わたくしもですわ!」


変なの~とか、麻衣子先輩今頃どうしてるんだとか談笑して帰る三人。
それはとても綺麗な夕焼けの日だった。


一年間のご愛顧ありがとうございました。


続く!!!

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