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【魔法少女っ】67-1、希望、それは虹色。

2012年04月03日 03:24

香住河川敷。
「あ。戻ってきた」
松並松見はぼそっと感想を言った。
「なんとか全員連れ出したですっ!」
「でも、問題は解決していませんわ」
茜達四人と、妖精三名、そしてスターリンと子供ひとり、犬のぬいぐるみ一個だ。
スターリン様、お久し振り~」
「確かに久しぶりだな」
かつての上司に挨拶する松並。
しかしスターリンが施した「世界停止」はまだ続いていた。

「なんだかんだ言って、世界征服を諦められない私がいる。これが私の夢だからな」
停止しない理由をそう説明するスターリン
「んな場合じゃないだろっ!ハーモニーエクスプロージョン!!!」
しーん。
突っ込みとしての攻撃合体魔法が発動しない。
「いつの間にか変身解除されてるですっ」
それに気付く茜。
塔と異空間を脱出するのに、茜と千歳のみならず小春魔法力を消費しつくしてしまったのだ。

「ふははは!地上が平らになったら、この大地に新たなる帝国を築いてやる。さばら!」
ごちん。
「ばたんきゅー」
「……ねごとは駄作主題歌でも歌ってろ」
有希が氷塊でスターリンを殴ったのだ。
昏睡状態になるスターリンだが、彼の施した世界停止はいまだに生きている。
「……むしろ好都合。パニックにならないで済む」
有希事情こそわからないが、パニックに相当するものだと想定していたようだ。
「でも、このままでは街のみんなは止まったまま死んじゃうですっ。それでは無念過ぎますっ」
と茜。
「それだと、奴の思うつぼだね。残念無念が奴の糧だからね」
「……想定内千歳、端的に説明」
大陸弾道ミサイルですわ」
「……把握」


状況はこう。
・敵ラスボスがキレて世界を滅ぼさんとする。
・その手段として大陸弾道ミサイルをこの街にめがけて発射。
・しかし、そのミサイルがいつ(タイミング)どこから来るかわからない。
・対抗できる戦力は有希麻衣子のスノウコンビしか残されてない。

「……より具体的な落下地点を特定してわたしがバリアを張るか」
「より具体的な軌跡を見つけてわたしが弓矢で撃ち落とすか」

心強いふたりだが、なんか決定打に欠ける。
「せめてわたし達がお手伝いできれば……」
しゅんとなる茜。
「……なくななくな。お前達はよくやった」
なでなでなでなで……。
茜と小春を撫でて微笑む有希

そして、千歳を抱きしめる。
「……相棒。これからの事は頼んだ」
「嫌ですわ!死なないでください、有希さん」
賢い千歳にはこの作戦がよしんば成功しても有希は無事で済まないと確信していた。

「じゃあ、行くわね!」
敢えて何も言わずに麻衣子はかけ去る。


「…やっぱり心細いですっ」
「ぴよぴよ~」


「諦めんのは、まだ早いんだず」
そこに現れるレイチェル
続く!

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