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【魔法少女っ】67-3、マジカルスノウ!!

2012年04月06日 19:13

香住町を見下ろす高台。
「……ん。ここなら最適」
有希は街を一望して呟いた。
大陸弾道ミサイルの被害を最低限に抑えるためのバリアポイントに最適だという。
とはいえ、いつ、どの軌道で飛んでくるかはわからないのだ。

その時、
ががががすぴーにゅ
町中のテレビラジオ防災無線機ノイズを発した。スターリンの世界停止が生きているここで、ラジオが鳴るのはおかしい。
「これは、緊急警報放送、です」
不気味な声が、淡々とノイズの中で告げた。
「攻撃対象、香住町、開始、しますた

「……発射された」
「どうすればいいのよ~」
おたおたする麻衣子。弾道を計算するにしてもノーヒント過ぎる。
「……女の勘で行け」
「無茶な!」
「……無茶でない。我ら魔法騎士魔法の源は?」
「願いのチカラ?」
「……そう。そして敵もまた強大な願いのチカラ。潜在力を持つおまえならできる」
要は勘による当てずっぽうだとしても、麻衣子の場合には隠れた根拠があるという事だ。
「……さあ、行け!」
「はひっ!」

背中を押されたように駆け出す麻衣子
ものすごい速さだ。ボルトさんなんか目じゃない。しかもオフロード走行でだ。
図らずも、町中を駆け回り、その風景を目に焼き付ける麻衣子だった。明日明日には離れるその景色が涙を誘う。
びくんっっ
「はうっ!」
麻衣子は感じ取った。何を。不思議な感覚としか言えない。
「そこだっ」
なんの変てつもない街並み。ビルの谷間。
それが迎撃の光魔法を撃つ範囲を狭めている。
「これが、ヒントって事?」
ランスロッドを出し、弓矢形態にしてシミュレーションしてみる。
魔法がビルに当たらないように撃つしかない。ビルにあたれば威力は軽減し、ミサイル迎撃するに足りなくなるだろう。
「案外大きなヒントなのね」
消去法で行けば、範囲はかなり狭まる。
あとは「いつ」上空を通過するかだ。
これも勘に頼るしかないだろう。
「街を、守るためのチカラを……」
麻衣子はそっと目を閉じて息を調えた。
魔法少女パールスノウ、マーガレットシルエット。青柳麻衣子。参るっ!!」
じゃきん。
弓矢を構える。

びくんっドクンッ
「はあう!ああん!」
勘が作用した。撃つタイミングが迫っている。
びくびくんっ!
今だっ!
パール・メガソーラー!」
狙い撃ち!!
それにしても。弓矢の矢がぶっとい!
ほぼヒント以外の全範囲をカヴァーしていた。
でも上空では先細りするからこれでいいのだ。

「な、なんだと!!」
弾道ミサイルたるネオバビルは光攻撃魔法の直撃に驚いた。
ちゅどおおおおん!

上空で大きな爆発が起きた。
「……麻衣子グッジョブ!」
こんどはわたしの番だと、有希は手を広げた。
「……魔法少女スノウ、月山有希。行く」

香住町全域を守るバリア(例によって命名してない)を展開する有希

「……やれやれ。結局はわたし独りの闘いか」
ちょっと愚痴りながら。


続く!

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