実家は山の上

横浜は山が多くて、当然、坂も多い。
生まれたのは駅のまん前でしたけど、
おばあちゃんが、頭でっかちですぐに転ぶ
赤ん坊の僕をみて、こんな緑のないとこじゃ
足腰が弱ってしまうといって
2歳のとき山の上に引っ越すことに
なりました。
当時は、京浜工業地帯の入り口の駅で
電車が到着すると、ゴキブリのように大勢の工員が
ぞろぞろ降りてきて駅のまん前にあるわがパン屋で
牛乳とアンパン1個買って、工場に歩いていってました。
僕も小学校2年のときから6時から8時まで
パンと牛乳売ってました。それから学校。
山の上の家は、神社の階段１３５段上らなければ
ならないところにあって、その階段を避けるためには
遠回りの坂道が2本。南側は急な坂道で、雨が降ると
ぬかって前に進めないくらいのどろどろ。北側はゆるやかだけど、3倍以上の距離をあるかなければならなかった。
子供のころは家は山のてっぺんにあると思ってたけど
中学生くらいになると、山のてっぺんから開発されて来て
気がついたら山の中腹の家になってた。
小学校のころは家から富士山も見えたのにいつのまにか何処に行っても見えなくなったしまってた。見えてたのがまるで幻。
そんな山の上の家だったので、中学に入ったときは晴れた日は運動靴、雨が降ると長靴で学校に通ってたけど、僕の行ってた中学は横浜市にあるのに９５％が東京から通ってきてて、電車で横浜方面に帰るのはクラスで3人だけ。当然みんな雨の日でも革靴はいてきてて、長靴は横浜方面からの3人だけでした。今では、坂道も舗装されて革靴でも上れるようになったけど。
おかげで、足腰強くなってテニスもスキーもそこそこの成績残せるようになりました。
今の東京のマンションも東京タワー見えるけど横浜の実家も10年前までみえてました。いま途中に高層マンションできてみえなくなっちゃったけど。
霞ヶ関ビルが一階ずつできていくのも見えたし、いまでも新宿の副都心もみえますよ。
霞ヶ関ビルは日本で一番初めにできた高層ビルですからね。霞ヶ関ビルの男とかいう連続ドラマもやってましたよ。