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【W杯】ゲルト・ミュラーという男

2006年06月25日 20:27

 日本戦でロナウドが2ゴールを挙げ、W杯の通産ゴール数が14となりゲルト・ミュラー西ドイツ)の記録に並んだ……という記事は読んだ人もいると思う。

 今日はこの人物について書いてみたい。


 ミュラーには「爆撃機デルボンバー)」という異称がついている。
 ドイツに渡った高原が「スシ・ボンバー」と名付けられたのがここからなのは間違いない。ドイツにおいて、ボンバーとはストライカーと同じ意味なのだ。

 ミュラーの記録、ブンデスリーガ365得点も不滅の大記録だが、何より凄いのはA代表でのゴール記録68得点が62試合で達成されている点だ。
 サッカー史上、1試合あたりの得点率が100%オーバーの選手は他にいない。(よほど出場試合が少ないのは除く)

 そんな凄い点取り屋は、どこが凄かったのか。
 バイエルンの同期入団である"皇帝"ベッケンバウアーにして「バイエルンの栄光は全てゲルトによるものだ」と言わしめた得点能力は何だったのか。

 ところがミュラーの体格は175cmでFWとしては高くない。
 体重は変動するのでハッキリとはしないが、バイエルン入団したときの監督が「重量挙げの選手」と評したエピソードから太っちょだったのだろう。今のロナウド辺りがイメージ的に近い?

 そんなわけで高さもスピードも期待できない。
 ではテクニックが凄かったのかというとそうでもなかった。
 当時、ブンデスリーガには奥寺康彦がいたのだが、DFである彼の評では「釜本の方が怖い」とあり、ミュラーは大した技術もなかったようだ。

 スキル面で目を見張ったのは、後ろ向きでボールを受けた状態からの振り向きの速さ。これは速かった。
 74年ドイツ大会決勝での決勝ゴールは、横からパスを受けるとバックしてマークを外しての振り向きシュートだった。もし映像が手に入るのなら実感してほしい。

 あとは意外にもヘディングでのゴールが多かったこと。
 高さは無いがフリーで打てるポジショニングが光った。これはパスの出し手の功績もあるのでミュラー個人の凄さとは言い切れない。


 さて。
 では何が凄かったのか。

 ミュラーの特技について、こんな言われ方がある。
「ミュラーは背中にレーダーを背負っている」
「ミュラーのリトル・ゴール」
と。

 ゴール前でボールが零れたところには必ずミュラーがいたのである。
 彼の特技は、零れ球を押し込むことであった。悪く言えばごっつあんゴーラーだ。

 シェフチェンコのようなスピード突破力があるわけでもない。
 アドリアーノのような超人的なキック力があるわけでもない。
 彼はゴールするという単純作業の目的に最も忠実であったのだ。

 昔、読売ヴェルディ武田という選手がいた。
 彼がこのタイプだったのだが、「こいつセコイよなー」と思っていなかっただろうか。
 確かにそうなんだが、それが最も大事なことであると気付くには当時の日本サッカーは未熟だった。

 今になって、この才能が少しずつ評価されつつある。大黒の声望はこれを含んでいるだろう。
 複雑化する現代サッカーで、しかも組織の強さが必要とされる日本代表ではこういうタイプは生まれにくいのかもしれない。スペシャリストよりもオールラウンダーを好まれる日本ではなおさらだろう。

 ゴールへの嗅覚は天性の才能が必要だ。
 とするとこれを備えたサッカー選手は確かにどこかで誕生しているはずだ。
 その人物を見出すことができるか。これからのサッカー界の育成も含めて考えてもらいたいところだ。

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