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13th Plaza Hotel Part 7 どんなに「趣味のクラブ」を

2020年06月21日 18:50

13th Plaza Hotel Part 7  どんなに「趣味のクラブ」を

どんなに「趣味のクラブ」を偽装しても
所詮が売春システムに過ぎない。
おまけに簡単にアクセスできて、簡単に行為に及べる。
激しい行為が終わって、冷静になると
「これはアブないのでは」と思った。
踏み込まれればそれまで、という覚悟が必要なのだろう。

だから自称OLも自称看護師も実はプロだ。
もっともとことん性が好きでなければ
ここまで狂うことはできないだろうが…
自称OLのささやきは微妙に熱かった。
「また会って。ポケットにメモあるから見て。」
とだけ言って離れていった。
相方を務めた性技に長けた男性と
二人の女性に視線を送り
「またどうぞ」
のコーディネーターの声に送られて
性臭の漂う部屋を後にする。
この分だと残った男性を二人の性器が呑み込んで
また修羅場が始まるかもしれない。
分厚いじゅうたんが敷かれた廊下
ドアの背後の夢世界とは
まったく異なる気取った造りだ。
何事もなかったような顔を装って
客の少ないエレベーターに乗ると
ポケットに差し込まれたメモを見る。
携帯の電話番号と時間だけが書かれていた。
翌日の午後7時が電話の時間。
今夜ロビーで待つように
とあったら体力的にも無理だなと思ったが
さすがに今夜中の再会はないようだった。

指定時間の電話には
少々気取ってはいたが
耳になじんだあの声がすぐに出た。
考えてみれば名前も知らない相手だった。
別人が答えたら
そこで細い線は途切れてしまっただろう。
いきなり「昨日はありがとう」と言う。
聞けば、口中に突然射精されたときに
即座にティッシュを差し出した行為が
ひどくうれしかった、という。
だから、その後続いた行為ではいつになく本気になり
立ったまま下から挿入されて
歩きまわられたときは
ほとんど失神しそうに感じた、と告げる。
声をひそめているとはいえ、会話の内容が内容だ。
いやでも欲望が吹き上げてくる。
自然の流れで逢瀬が決まった。
本当に丸の内の小さな商社に勤めるOLだから
明日の同じ時間の7時に空くと言う。
さすがに新宿ははずして渋谷にする。
乱交からのスタートだけに、
友達でも連れてくるのかと思ったが
そうでもなかった。
「今度は二人だけでしたいの。ずーっとしたいの。」
とさらっと言い放つあたりは
やはり相当猥らな女だった。

不思議な食事だった。
話題はこの間の乱交のこと。
やはり
客一人につき何がしかの金銭をもらうバイトだった。
だが、それだけが目的だけでなくて
やはり性交そのものが好きと言い放つ。
体にぽつっと火がつくと
本能に抑制が効かなくなる。
ハードルは低いものの
それでも誰でもいいと言うわけではなくて
気に入った相手がいなければ休日などは一日中でも
オナニーでよがり狂うと言う。
「会社に誰かいたらいいんだけど誰もいなくて…」
「いたら社内恋愛通り越して
社内セックスしまくっちゃうでしょ?」
スケベなおじさんしかいないの。」
「こっちこそスケベなおじさんだよ。」
というと
「違う。ぜんぜん。スケベだけど違うもの。」
「だからいっぱいしたかったの。お・ま・ん・こ」
お世辞でもうれしかった。
目指す女性との席は
可能な限りL字型に席をとるようにしている。
このときもそうだった。
だから話がこの辺りになってくると
テーブルクロスの下で突き出された指は
ミニのスカートの中に入り込んで
くねりだしている。
下着が湿りだし
やがて濡れ方が激しくなってくる。
トイレに立った間に勘定を済ます。

と、トイレから帰った彼女
手の中ににぎりしめていたものを
意味ありげに手渡してきた。
やわらかく濡れた手触りからその正体がわかる。
そっと開いてみると、小さな赤いTバック
それも隠すことより見せることだけを目的にした
過激なものだった。
さらに無言で小さなマシンを渡す。
これもすぐにわかった。
赤いTバックを脱いだ後、
リモコンのバイブを装着してる、という意味なのだ。
あきれる。
次にニヤリと笑う。
鼻の下を伸ばしたおじさんの顔は
さぞかし醜かったことだろう。

話にはきいていた。
好きものの友人がしきりにすすめてもいた。
だが、性豪でもないこちらにとっては
これははじめての経験だった。
レストランのある宮益坂から、
道元坂のホテル街まで歩くことにした。
二十分ほどの距離をオンにしたりオフにしたりして
反応を楽しんだから倍の四十分はかかったかもしれない。
スイッチを入れると「あ、だめ」といいながら
腕を強くつかんでくる。
立ち止まる。
腰がくねりだし抜けたようになる。
唇が半開きになり、この間の乱交の最中の顔になる。
商店の照明でよく見ると
雫が一筋ふとももを伝わっている。
ささやく。
あそこ、洪水。」
ようやくホテル街の暗い道に来たとき
たまらず電柱の影でバイブ
最強にしたまま抱き合った。
さっき手渡された赤いTバック
二人でしゃぶりあいながら
唾液をねっとりと交わす。
飲みあう。
指は速くも互いの性器をまさぐりあっている。
カップルが何組か通っていくが
ミニをめくり、太ももの奥に手を這わす行為は
これからの彼らたちの姿でもあるから
こちらは気にもならない。
しばらくそうしているうちに
「ねえ。して。して。してえ。」
とかなり大きな声で言い出した。
そのままガラスの扉をくぐり、
性交のためだけのホテルに入る。

バイブをいれたまま、という状況で
また妖しげで隠微な
密室の行為が始まった。

(続く)

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