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心理学にご注意

2019年03月12日 23:48

心理学にご注意

今回はあるM女性の過去の苦しみについて書いてみたい。
その女性を仮に美里と呼ぶ事にしよう。

美里には2年仕えたご主人様がいたと言う。
ただ、その主従関係は甘く淫靡な世界とはほど遠い物だったようだ。

調教が進めば、進むほど、心が疲弊したと言う。
何か粗相をする度に、お仕置きを受け、反省文を書かされる。
美里はその度に長い反省文を書き、許しを請う。

もちろん、これだけを聴けば、何もおかしな事はない。
粗相すれば、私だって、お仕置きはするし、時には文章で報告もさせる。
では、なぜ、美里の心は疲弊したのか?

それはその男性が美里の心に寄り添う事がなかったからだ。

よくよく聞けば、その男性は心理学を学んでいたらしい。
実はこの手の話は案外よく聞く。

SMの世界は精神的な世界だ。
それゆえなのか、心理学に興味を持つS男性は少なくないようだ。
ただ、やっかいな事に心理学を学んだS男性で良い話は聞いた事が無い。
もちろん、全てを否定しているわけではない。
ただ、私の耳に入る話は何故だか、残念な話ばかりだ。

美里の場合もご多分に漏れず、心理学の知識を振りかざされたようだ。
知識はとても便利な物だが、使い方を間違えると非常に厄介な代物だ。
目の前の現実に目を向けず、知識の中で答えを出そうとする。

美里の場合もそうだったのであろう。
ありのまま美里を見ずに心理学と言うフィルターを通して見られていたわけだ。

目の前にいながらにして、いないかのように扱われる・・・
世の中でこれ以上、孤独を感じる事はないだろう。

話は少し変わるが、経験豊かなご主人様は下手な心理カウンセラーよりもずっと女性の心理を知っている。
何故なら、毎日が臨床実験の繰り返しだからだ。
まさにトライエラーの連続だ。

様々な女性の、様々な状況での心理を経験として、記憶に刻み込んでいく。
繰り返し言うが、知識ではなく経験を繰り返すのだ。
そうして女性の心理を扱う感覚を身につけていく。

知識と感覚は全く次元の違う物だ。
縄のかけ方を習ったからと言って、同じように縛れる物ではない。
そこには経験に裏付けされた感覚が必要になる。
これは心理とて同じ事。
増してや調教中女性の心理はとても繊細だ。

複数の女性調教した事があるS男性なら分かると思う。
どんな行為であっても、どんな言葉であっても同じように反応する女性は誰一人いない。
みんな全くバラバラだ。
にも関わらず、その女性の傾向や特徴に気づき、先回りして対応するには膨大な経験が必要だ。
一朝一夕で出来る事ではない。

私にとって、調教で最も大切な事はその女性の心を癒してやる事だ。
もちろん、女性嗜好によっては、責めや行為はハードな物になるかもしれない。

だが、それは女性の心を受け容れ、いやす為に必要なのだ。
女性の心を受け容れないSMは物理的な暴力であり、心理的な虐待以外の何物でもない。

私はM女性が好きだ。
M性を持った女性は本当に愛おしい。

1人でも多くのM女性が幸せになって欲しいと願っている。

もちろん、私の耳に入るのはごく一部の事で、心理学を学んだ素晴らしいS男性もたくさんいるだろう。
だが、「心理学にはくれぐれもご注意」と言わずにいられない。

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