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成程話:他人の痛みがわかる人

2013年09月30日 21:28

志賀内泰弘氏の心に響く言葉

山口主(つかさ)さん(71)は56歳の時、低血糖症で意識を失いマンションの5階から転落した。
気が付くとベッドの上にいた。
一命は取り留めたが脊髄損傷で下半身まひの重度障害。
2年の入院生活を終え退院したが、車いすの生活になった。
AT車限定の自動車運転免許も取得し、健常者と変わらぬ生活を送っているが、時に心無い人の言葉に傷つくこともある。
スーパーで近くにいた買い物客に棚の商品を取ってもらおうと頼んだ時のこと。
「なぜ一人で来るんだ。介助者を連れて来い」と怒鳴られた。
勿論、悪いことばかりではない。
買い物を済ませて自宅の集合住宅駐車場まで戻って来た時のことだ。
車いすに乗り換え、膝の上に大きな買い物袋を乗せてエレベーターに向かい始めた。
その時突然、5歳くらいの女の子が歩み寄って来て「おじちゃん押したげる」と言い、スロープを押してくれたのだ。
大人でも相当の力がいる。
幼い子供のこと、重かったろう。
「この時程車いすが軽やかに感じたことはありません」と山口さん。
スーパーに買い物に出掛けた時の話。
アルバイト女子高生が、レジで声を掛けてくれた。
「雨が強くなってきましたよ。大変でしょう。ぬれますから送りますよ」と。
いつも一人で車を運転して来ていることを知っていてくれたのだ。
でも、他のお客さんが並んでいたので「ありがとう」とだけ言って遠慮した。
ずぶぬれになることを覚悟して車の所まで車いすを動かし始める。
ふと気付くと、体に雨が当たらない。
振り向くと見知らぬ人が、後ろから傘を差し掛けてくれていたのだ。
レジの所で見かけた50歳くらいの女性だった。
おそらく、レジ女子高校生との会話を聞いてくれたのだろう。
「ありがとうございます。奥さんの方こそぬれてしまいますよ」
山口さんに差し掛けるため、本人が傘からはみ出てしまっていた。

『ようこそ感動指定席へ!』ごま書房新社
「子供叱るな来た道だもの、年寄り笑うな行く道だもの」(永六輔大往生)より


多くの人は、自分がかつて子供や赤ちゃんだったことを忘れてしまう。
赤ちゃんの時は、食事から入浴、排泄まですべて親がやってくれた。
そして、いつかやがて自分が老人になることに考えが及ばない。
赤ちゃんの時と同様に、すべてを他人のお世話になるかもしれない。
思いやりとは、他人の痛みがわかること。
天に向って唾(つば)すれば、自分にかえってくるのと同じで、出した言葉も、思いも、行動も、やがて自分にかえってくる。
他人の痛みがわかる心やさしい人でありたい。

このウラログへのコメント

  • 松山市の河内人 2013年10月01日 00:37

    いい話だね~  ニッコリ

    人間万事 塞翁が馬

  • なな♪ 2013年10月01日 09:04

    松山市の河内人さん:有難うございます心ない言葉を言う人もいるけど本当に素敵な人も沢山ですね

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