- 名前
- ヴォーゲル
- 性別
- ♂
- 年齢
- 74歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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Archie Shepp Quartet 14−0
2006年09月15日 12:09
Archie Shepp Quartet in BIM huis in A'dam
14-09-2006
Archie Shepp (ts ssvo)
Tom McClung (p)
Wayne Dockery (b)
Steve McCraven (ds)
この何ヶ月かPCを使って何かするときにはネットのジャズ局をいくつか聴きながらキーボードやマウスを動かすのだが、その中で元気のいいのがSKY.FM局(http://www.sky.fm/)の中のModern Jazzだ。
ここでは50年代のセシル・テーラーから60年代のドルフィー、アイラー、コルトレーン後期、晩年の録音を中心にフリージャズの変遷を辿る趣向になっているようだが20%ぐらいは80年代から後のものもかかっている。
多分60年代、70年代の初めごろの録音だろう、アーチー・シェップもよく出て、元気な豪快さを聴くことが多い。 この局の順番に流れるサウンドからは概ね誰が演奏しているのか特徴がはっきりしているものが多いのだが、このS氏はリストを見てなるほどと思うことが多いのだがそれは特徴がつかめていないということに由来しているのだろう。
いくつかLPを集めているに違いないが彼のものはこの25年ほど聴いていない。 70年代の終わりごろに嘗てジャズの地平を果敢に切り開いていたジャズメンが祖国アメリカで音楽学校、大学の教授になっていった。それで、そのころS氏も教授職を得て元気の良いものから円熟、伝統的なものを指向するようになりそのころから聴いていない。 そしてこの半年ほどのこのラジオ局から流れてくる彼の昔の音に再会して、今日のコンサートである。
家族にクスクスの夕食を作り食後いつもの如く7時の電車に乗ってアムステルダムに向かったのだが珍しく電車が遅れ会場に入ったら8時を廻っていた。 300席のホールに入るために入り口で待機の満員の人たちを掻き分けていくと知人の顔もいくつか在ったがそのうち素早くS氏まで3mほどの2列目の席を確保して演奏中に喉が乾いたときに渇きを癒すための白ビールを求めてバーに向かった。
開演9時のはずが9時40分ごろに始まり第一セットを7曲演奏して11時前に終わった。 実際彼らのリハーサルは8時ごろから始まり延々30分ぐらいは続けたのではないか。 今年69歳になったS氏はゆっくりとケースを開けテナーとアルトを準備して軽くマイク調整をしたのだが、リハーサルの殆どがブルース、スタンダードのカラオケとも言うようなヴォーカルのリハーサルだった。 これらは50歳代60歳代が中心で今夜の客が開演を待つバーと会場を仕切ったドアの丸いガラス窓から見たのは音は聞こえないもののドラムのリズム、体の動きでブルースだと知れ、間には大きな叫び声まで無人の客席に浴びせている。 あまり良い予感はしなかった。
この人90年代に唇、あごの辺りに問題があり、歳の割には低迷してるのだと同じ街から来ていたジャズ同好会のメンバーに聞かされた。初めの2曲はウオーミングアップとしてもゆったり過ぎていただけない。 3曲目のレヴォリューションと題されたものではドラムスのスティーブ・マクラーヴェンが皮の衣装を素手で叩いてS氏が歌う、氏の祖母に捧げる二グロ・スピリチュアル調だった。 初めはそのように、やがてR&B調になりテナーのソロも入るのだがどうも30年もS氏の様子を追っていなかったものには場違いなところに来てしまったような気がするのだ。 しかし、さすがに4曲目のトレーンのマイフェィヴァレットシングズを思わせる6/8拍子をリズムセクションが始めれば元気もよくなるのだがいかんせんS氏の演奏はエッジを求めて展開するどころかソロの長さがあっけないほどで終わる。 ブルース、スタンダードのバラード、フランス語でルグランのものを歌ったりと歌手としての時間のほうが多かったようだ。
30分以上の休憩で会場の中のCDコーナーに置かれたS氏のCDには触手が向かず、40年前のS氏にも比較できるか、今健在のシカゴのKen Vandermark 5 の2004年録音の「The Color Of Memory」 ALP166CD 2枚組を買った。 とりわけアルとのDave Rempis という若者が今のところ一番の気に入りだからだ。
休憩も過ぎ観客が席に戻り始め第2セット目を始めたら、11時15分だった。 第2セットも6曲ほどの、第一セットに比べて熱狂具合も少しは上がっている。 スタンダード、R&B調など様々に披露されて5曲目は「Round Midnight」、フリー、インプロヴィゼーションで趣味のいいコマーシャル・フィルムで使われることが多いこの局をS氏らしい音を吐いている
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