鳴り続けるドア

静かな空気を震わせるように、部屋とキッチンの仕切りドアがカタカタと音を立てる。
少し音が立ったかと思うと、ガタガタと大きく揺れる。

また地震か！？
ハタと腰を浮かす。
少し身構えると音が止まる。
どうも車が表通りを通り過ぎたようだ。

昨日、道路工事をした後の舗装が、どうも綺麗になっていないらしい。
いつもよりも震動が大きい。
ひっきりなしの車の往来に、ドアは絶え間なく揺れる。

しばらく静けさが戻る。
またカタカタとドアが音を立てる。
今度も車？
車の気配はない。
ふと気づくと、自分自身が貧乏ゆすりをしている。
バカだ。
まるでバカだ。

余震の数は多い。
いつ何時また大きな揺れが来るかと、びくびくしている。

ニュースを見れば、放射能の話。
確かに気をつけなくてはいけないのだろうが、これでもかこれでもかと流れ続ける。
店先のミネラルウォーターはもう姿を消した。

環境が、テレビが、ニュースが不安という毒を撒き散らしている。
もちろん政府の対応の悪さとか、マスコミへの不信とか、いろんな要素も加わって、気持ちが落ち着かない。

同じようなブログを書いて、もう何日になるのだろう。
いつまでこんな状態が続くのだろう。

私自身のうつ病も、いつまでこんな状態が続くのかと先が見えない苦しみに喘いでいたが、今回の方が厳しい気がする。
自分でどうにもならないことだから余計か。

それでも一日中不安に凝り固まってしまうことはなくなった。
気分転換もできていると思う。

ミネラルウォーターがなければ水道の水を飲めばいい。
何とかなるさ。
タバコを吸っている方が、よっぽど発ガン率が高そうな気もするし（私はヘビースモーカー）
危機感は捨てない。
でも、余計な心配はしない。
そんな気持ちでいたいものだ。

そう思う私の傍らで、ドアがまたカタカタと鳴った。