懐かしさを感じて思い出せば

会社の前に最近新築の家がやたら建ってる

先日　駐車場に車を置いて会社に向かうとき

新築の家に目をやると　とても可愛い子がいた

暖かい日だったせいか　窓とカーテンを開けてテレビをみてた

ちょっと茶系のサラサラな髪に肩くらいの長さ

ミニスカートから白い脚がいい感じに

それから何回か見かけた

基本的にはいつも雨戸も閉まってるのだが

時々　開いてることがある

いつも暇そうにテレビを見てる

ある日の夜　やっと仕事が終わり　駐車場へ

電気は消えてる　でもテレビの明かりが見える

ちょっと目をやると　その彼女が暗い部屋でひとりテレビを見てる

テレビ灯りに浮かび上がる彼女の姿がなんとなく懐かしく

そういえばヒッキー状態だった元カノ

いつも電気を消してテレビを見てた

何かに取り付かれたようにテレビを見てて

部屋の明かりが点くのを極端に嫌って

雨戸も締め切って外が怖いとか

暗いほうが　落ち着くからとか

まあ　その新築の子は　元カノみたく

狂っちゃってるわけじゃないだろうけど

なんか退廃的で滞ってるような生活

戻りたいとは思わないけど　いや　どうだろ？

いや　あの暮らしには戻らなくていいな

そんないい記憶とは思えないものでも

懐かしさに思い出すと　あれはあれでよかったのかもなと思う

駄目駄目な死んでるような生活

確かに触れ合って寄り添っていたのだし

力なく握ってた手が離れたとき　彼女は消えて

その暮らしは終わった　おわるべくして終わった