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16th Harumi Pier Part 5

2016年03月24日 21:30

16th  Harumi Pier  Part 5

身体をつないだ殆どの女性
なぜか性に奔放だったから
オナニーをすることに何の抵抗も示さなかった。
最初は「しないわよ」と笑っていても
徐々にたかまりだすと股の奥を晒しながら
真剣に卑猥なショウを見せてくれる。
時には戸外で。
たいがいはベッドの上で。
ソファの上で。
浴室で。
シャワーヘッドを上向けにして
片足を浴槽の縁にかけて
大きく性器を晒し
激しい勢いで、あるいは
触るか触らないかの弱い水勢で
クリトリスに刺激を与えながら
自らの指で激しく果てたりもした。

いま激しい雨がシャワーの代わりになっている。

雨水が音を立ててかなりの勢いで
歩道わきの下水溝に流れ込む地面の上で。
豪風に揺れる水銀灯の明かりが
舞台のように浮かびあがらせている地面の上で。
乱れながらともされたヘッドライト
スポットライトになっている地面の上で。

全裸の女が大きく股を広げて
クリトリスシャワーを当てるように
腰をくねらせては性器を突き上げている。
異常な状況がもたらす、その性感
どくどくと垂らす愛液
ざあざあの雨に混じらせているに違いない。
さらには潮を噴き出したり
そのままの形で放尿しているのかもしれない。
無理やりに状況設定されたAVでも
ここまでの強烈な視覚からの刺激は
おそらくないだろう。
あまりの壮絶さに思わずわれを忘れて見いってしまう。
天を突く佇立からは
先走りが雨と溶け合って流れだしている。
そして、女がわめく。
雨に向かいあった性器をかき回しながら
「来て。来て。」
「入れて。いれてよお。」
「刺して。刺して。おちんちん。ちょうだあああい。」
「ねえ。まんこにいい。」
雨音をしのいで
風音をしのいで
淫語が響いた。
なぜかエコーのように頭に響くそんな言葉に
吸い込まれるように
女の身体に覆いかぶさり
ぶすりと挿入した。
体位そのものはごく普通の正上位
だが状況は発狂するかと思うくらいアブノーマル
激しく挿入
激しく腰を使う。
こちらの後頭部を
こちらの背中を
こちらの尻を
容赦なく雨が愛撫する。
ざらつくアスファルトが膝にいたい。
おそらく女の背中をも
紙やすりのようにこすっているだろう。
だが
それとても快感だった。
二人とも。

速い。
達するのが速い。
つらい。
射精をこらえるのがつらい。
「いい。いい。すごおおい。」
「こんな。こんな、まんこ初めて。」
「来る。来ちゃう。狂っちゃう。」
まんこが狂うよおお。」
ペニスが生ぬるい液体に
じゅくりと包まれ
それが蠕動に取り囲まれながら
奥へ奥へとひきづりこまれる。
亀頭が、ざらざらと
粒だった感触に触れる。
射精促すかのように性器全体が
引きつったような動きをするのだ。
快楽の頂点を先延ばしするために
腰の動きを少し緩め
口の中に唾液を送り込む。
歯と歯がガキガキと
音を立ててぶつかりあう。
舌と舌が、二匹の蛇のように絡み合う。
唾液唾液が交じり合って
濃度を二倍にする。
この試みでも射精をこらえるのは難しかった。
だから…
身体をつなげたまま
アスファルトの路面の上を
ごろごろと転がった。
上になる。
下になる。
男にとっては時間稼ぎ。
女にとっては新しい刺激。
「ああああ。こんな。こんな。」
「こんなところで。こんな道路の上で。」
「こんなおまんこしてる。」
「奥に。奥に。もっとちょうだい。」
「さしてえ、ついてえ。」
「かけてえ。」
「ぶちこんでええ。」
女が上になったところで
ようやく体勢が決まった。
終息が近づいてくる。
雨が女のアヌスを撫で回したらしく
激しいシャウトが始まり
その言葉を発することで
さらにたかまっていくようだった。
「ねえ。ねえ。雨が。お尻舐めてる。」
「感じる。感じる。まんこお尻も。」
「ねえ。頂戴このまま中に。」
「いいから。なかにい。」
「頂戴。頂戴。かけてええ。」
「ああああ。イって。イって。いっしょにイって。」
がばっとこちらの上に倒れこんでくると
こちらの胸で乳房をつぶすような
ものすごい力でしがみつき
そのままペニスを閉めあげてきた。
この段階でもはや我慢はならなかった。
収縮を続ける性器の中に
どくどくと放った。
どくどくと放った。
どくどくと放った。
「あああ。わかる。わかる。」
「出てるう。あああああ。」
まんこに。まんこに。」
「い。いくううううう。」
射精の途中で完全に飛んだ。
女だけではない。
こちらも飛んだ。
風雨を全裸の身体で受けながら
ふたりとも石像のように動かなくなった。
とてつもなく卑猥な形のまま動かなくなった。
精液愛液をつながった部分から垂らしながら。
吸いあう口元によだれをたらしながら。
そんな体液を雨で洗い流しながら。
ふたりとも飛んだ。
プールの中での交合のように
びしょぬれの二人の身体を
さらに豪雨が濡らし続け、
濡れて重くなったはずの女の髪を
それでも強風が妖しく撒き散らした。

動かない。
動けない。
動きたくない。
強烈な快楽の余韻は
夏の終わりのぬるめの豪雨・強風では
吹き飛ばすことは出来なかった…

(続く)

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