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「歴女」の皆様、こっちも見て下さ~い!

2014年05月03日 21:18

「歴女」の皆様、こっちも見て下さ~い!

さて皆様。
戦乱の世を勝ち抜いて「幕府」を立てた武士、いわば
各時代を代表する大英雄。それは日本国史上、三人しかいません。

日本という国の歴史が、他国と比べてどこが特徴的かといえば?
まず、三国志中国史)なんか見るとよくわかりますが、ああいうのとは違って
絶対に不動であり、世界で一番長い歴史をもつ皇帝天皇)家。
それと、サムライですよね。そんなサムライたちの中の、トップ3です。

イイクニ作ろう鎌倉幕府(最近は新説で変わったらしいですね)、の源頼朝
時代劇で有名な江戸時代江戸幕府徳川家康
もう一人は、何幕府の誰でしょう?

……これ、即答できない人は結構多いんじゃないかなーと思います。
いわゆる「歴女」の人たちも、なかなか注目してくれませんしね。
そもそも日本人全体に対しても、比較的マイナーな時代ですから。ぬぬぬぬ。

答えは室町幕府足利尊氏三国志のような物語作品では「太平記」があります。
室町時代、と言われてもピンと来にくいかもしれませんが、要は「一休さん」です。
あの作品中の街並や、人々の服装髪型などは、水戸黄門や金さんとは違うでしょう?
一休さんに、とんち勝負で負けてた「将軍様」は尊氏の孫。三代将軍・足利義満です。

さてさて。
徳川家康源頼朝は、いろいろな面で非常によく似ています。
二人とも、幼い頃に親元から離され、実家はほぼ壊滅状態で、
自分自身もいつ誰に殺されるかわからない、殺されないにしても
いいように使い倒されるだろう、という悲惨な境遇で育ちました。

幼少期からそうですから、少年→青年と、屈辱にまみれて成長していく中で、
「何が何でも、ここから這い上がってやる」「勝つためには手段を選ばんぞ」
という人格が形成されていきます。事実、そうやって彼ら二人は勝ちました。

しかし。三人の中で、尊氏だけは違います。
金持ちのぼっちゃん育ちで、苦労知らずのまま大人になりました。
人を疑うことを知らず、周囲の皆から愛されて、「殺し殺され騙し騙され」なんて
未体験どころか未目撃のまま、大将になってしまいました。

ですが、「苦労知らずのぼっちゃん育ち」とは言っても。
パンがなければケーキを食べればいいじゃない、というタイプではありません。
パンがないなら僕のをあげるよ、僕はたくさん持ってるからどんどんあげるよ、
というタイプの「ぼっちゃん」でした。優しくて上品教養豊かな、良家の子息。

だもんで。
殺すべき相手を殺さず、潰すべき勢力を潰さず、責めるべき裏切り者に優しくし、
貧しい人には自分のものを与え、強敵に対してまで礼儀正しく接して……と、
家康頼朝なら絶対にやらないことを、戦争中にもどんどんやってしまいます。

そのせいで。
尊氏の軍は不要な苦労を抱え、いらん苦戦をさせられ、結果として
本国の戦乱を長引かせてしまいました。ようやく作った室町幕府も、
江戸鎌倉幕府と比べると、かなり脆弱なものになってしまいました。が。

だからこそ。
人間として魅力的なんですよ~尊氏は。
同時代の英雄たち、楠木正成新田義貞、そして後醍醐天皇との絡みも、
もぉ本当にドラマチックで面白くて。

何が何でもワシが天下とったるで~と全力でぶっ殺しあいしてる家康頼朝
あるいは織田信長豊臣秀吉たちとは、全く異質なドラマが山盛りで。

しかし。
マイナーなんですよねえ。尊氏たちの物語は。
天皇家ガッチリ絡んでる上、追求していくと現代の天皇家
正統性の否定にも繋がりかねない、という事情もあって。

そういう危ない側面があり、そのせいか小説漫画ゲームテレビ・映画
なんかにも取り上げられにくくて。そのせいでまたマイナーになって。

更に。
おそらく唯一の、天皇相手に真正面から戦争をやった武士なものですから
(そもそも「戦う天皇」ってのが反則……)、天皇陛下バンザイな時代には、
尊氏極悪人扱いされて。

尊氏のことを褒める発言をしたというだけで、辞職に追い込まれた大臣なんかも
いたとか。もちろん、そんな時代の日本史教科書では、尊氏と敵対する
楠木正成新田義貞は大英雄扱い。それが学校教育となり、世間の常識となります。

なので。
NHK大河で「太平記」が放送された時、正しい尊氏の姿を初めて知った
お婆さんが、「尊氏って、いい人だったんだねえ……」なんて言ったそうです。

と、まあ。
尊氏や「太平記」について語りだすとキリがないので、とりあえず
この辺で切り上げますね。興味をもって頂ければ幸いです。

最後に。
解りやすい、お勧めの入門書(?)を一つ紹介しておきます。
今回の画像の引用元です。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm16421165/
のーす あんど さうす~わくわく南北朝時代

第一話と第二話は基礎知識の説明なので少々退屈でしょうが、
物語が動き出す第三話からは一気に面白くなりますので!

以上、今回は布教活動でした。足利尊氏を、「太平記」をよろしくっっ!

このデジログへのコメント

  • はぎんちょ 2014年05月04日 01:32

    足利尊氏って魅力的な方だったんですね~
    今までと違った目で、興味深く見れそうです(*^^*)

  • けーでぃー 2014年05月04日 08:45

    > はぎんちょさん

    私の発言には、小説などによるキャラ付けの影響もありますけどね。
    が、家康や頼朝よりはかなり「いい人」寄りなのは確実。
    「ワシが天下取ったるで~」以外の理由で戦ってるのがよく解る。

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