【魔法少女っ】65-4、痛快！春の訪れ？

「あらあら♪」
ごごごご……
無視された事に怒った琴は、チャウシェシュクを追撃する。
「わしの狙いは願いのチカラじゃあ。魔法騎士との闘いなぞ、今はどうだっていいんじゃあ！」
チャウシェシュク的には故意に無視したわけではないのだろう。
それはそれでムカつく。

「待たんかい、ゴルァ！」
どげしっ
「あいたっ」
「とにかく、教会には行かせないわ～」
連続で足技を炸裂させる琴。角度によってはぱんつ丸見えだが、今そこに興味を示す者はなかった。多分、その程度の助平は停止した世界では動かないままなのだろう。
「ぐうう……ならばお前を倒してから教会に行くまでじゃあ。さあ、変身するがいいじゃあ！」
「……」
「……」
……。

「どうしたじゃあ！早く見せてみろじゃあ！」
「……」
どげしどげしどげし！

「見せてみろとはぱんつじゃないじゃあ！」
蹴りのダメージか、鼻血を出してたおれるチャウシェシュク。

「いまのうちね～」
琴は一目散に教会に向かって駈ける。

がしっ！
「きゃああ！」
足を掴まれる。

「人間風情が嘗めた真似をしてくれるじゃあ」
そういうあんたも、もともとは小さな妖精さんだがな。
「ううう～。汚らわしいわぁ～～」
泣きべそをかく琴。今の状況を事情を知らないひとが見たら、
「痴漢のおじいさんが美少女のぱんつを凝視して、無理矢理やろうとしている」
ように見えている。

じいさんも満更じゃないだろう。
元TPPの女幹部によって女には不自由してないチャウシェシュクだが、そろそろ新しい刺激があっても良いだろう。

相手が元魔法少女ならば、口実も作りやすいようだった。


「おぞましい悪意だず」
教会で父のあしき気配を感じ取ったレイチェルであった。


どさっ！

「あらあら。大帝国の将軍ともあろう者が、所詮は俗物なのね～。うふふ」
余裕を示す琴。もちろん演技だ。皮肉でしか、彼女の攻撃手段はなかったのだ。
「願いのチカラを集める事がわしの大業！貴様のチカラも全部吸い付くしてくれるじゃあ！」
老人とは思えぬ腕力で、琴の制服を引き裂くチャウシェシュク！
「ああ～ん！嫌よ～！こんなかたちで失いたくないの～！」
どぐわしゃああ！

「……いい加減にしなさい」
鈍器で思い切り殴られたチャウシェシュク。

殴ったのは……有希だった。

「マジカルスノウ！」
「有希～～っ」
琴は幼子のように有希の後ろに逃げ隠れる。
「……ん。……ヒーローは大ピンチにやって来る。……ぶい」

「おのれ！スターリンはスノウまで陽動できなかったのかじゃあ！」

身構えるチャウシェシュク。

「……ん。……敢えて陽動に乗らなかった」

三年の時を経て対峙する宿敵同士。


「……千歳がいないのが物足りないが、ここで決着をつける」

今度は有希がラウンドドライバを掲げた。

続く！