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テレフォン…

2006年09月15日 23:47

彼女自慰を告白してから、エッチな話題もそこそこ話せるようになった。
エッチな話題と言っても、どちらかというと自分の体験談を語ることが多かった。
以前付き合った人とのことを、かいつまんで話す。私の中には、彼女の心の中に嫉妬心が少しでも沸きあがること、そして私との行為を自らに置き換えて想像してくれること、この2つの意図が実はあった。
昔の彼女の話をすること自体、やはりリスクのあることであることは分かっていた。あまり詳細に、細かいディティールまで話す必要はない。あくまで、私の体験を伝えるのであって、以前付き合った女性容姿や自分が惚れた理由を伝えるのはご法度。逆に、昔の彼女悪口にも似た非難はある程度口にした。
彼女別居中の旦那とのことはほとんど自分からは話さなかった。私が尋ねたら、尋ねられたことだけを答えたし、ごまかして答えないことも多かった。それはそれで、私にとっては安心する面と、嫉妬する面、両方が複雑に絡み合う心境になる。
「明智さん、今夜も、自分でするの?」
少し小さめの声で、話しの流れの中ではあったが、彼女には珍しくエッチなことを尋ねてきた。
「うん、するよ。だってもう勃ってるし…」
ちょっとした賭けに出た。今まさに声を聞いて、私の体は反応している、正直にそれを伝えたのだった。
「えっ?ホントに…?」
本当に意外だ、といった感じの声だった。
「うん、本当。声を聞いてるとこうなっちゃうんだ」
少し切なく、情けないぐらいに正直に言ってみる。
「そうなんだ…。大丈夫なの?」
何が大丈夫なのか、こっちが聞きたいような質問だった。多分、かなり彼女は戸惑っているに違いない。
大丈夫だよ、自分ですれば元に戻るから」
まるで小学生中学生のような会話だった。しかし、旦那以外に男を知らない彼女にとっては、未知の世界なのだろう。
「つらかったら、いいよ」
「え?」
「つらいんでしょう?男性って…」
彼女は男性という言葉を使う。
「うん、確かにこのままの状態ってつらいんだけどね…ハハハ」
ちょっと重くなった空気をかき消すように、笑い声をあげてみたが、彼女は緊張と興奮に支配されているようだった。
「我慢しないでいいよ」
「うん…でも…」
「聞いててあげる…」
この夜、私は彼女と電話でつながったまま、受話器の向こうで自慰をした。

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