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【その男凶暴につき】

2009年06月05日 09:00

【その男凶暴につき】

実は北野映画とは最初の出会い方を失敗していまして、その後ずーーーっと敬遠してましたww

諸悪の根源の映画は「みんな~やってるか~」というやつなんですがww

知り合いに「素晴らしいから見てごらんよ」といわれ、見ないのも失礼だからと言って見たのが「座頭市

素晴らしかったですね。ほんと。
殺陣が美しく、意匠が美しく、時代劇なのにエンターテイメントの取り込み方が半端なく美しい。
たけしの金髪が全く気にならないほど、「すばらしい」の一言でした。

それから「キッズリターン」を見て、青春に涙し、その次に見たのがコレ。
私が子供の頃暴力シーンがきついとかで、見てはイケナイ映画だったように思います。

本来「仁義なき戦い」の深作欣治監督が撮る予定だったと聞いて、納得。この題材なら全然深作作品だわw

でも、北野映画の入り口がここだとするならば、この監督交代劇がのちの「世界のキタノ」を作るきっかけとなったのだから、運命ってうまいように出来てるなと思いますね。

さて、子供の頃の前評判にたがわず、殴る、蹴る、脅す、ナイフで切る、発砲する・・・。
どんどん画面は血まみれになっていくんだけど、実際に一番血まみれなのは、たけし演じる刑事・東の心。

シャブ漬けにされた最愛の妹(川上麻衣子)を自分の手で撃ち殺すシーンは残虐な中に、静謐な清らかさと悲しみに満ち溢れています。

全編のどこかに感じる暴力とは裏腹な悲しげなアイロニー

全く持ってハッピーエンドではないし後味が悪いのに、とても惹きつけられる映画です。

このデジログへのコメント

  • ひげひげ 2009年06月05日 12:22

    「みんな~」からじゃあ確かに。
    「キッズリターン」、やりきれない気持ちになりながら何度も見たなぁ。

  • エニフ 2009年06月05日 20:58

    そっか~、リアルタイムで見ていないのだね。

    今見たら、また違って見えるのかもしれないなぁ~。

  • とめを 2009年06月08日 15:10

    今ひとつ北野作品は乗り切れません。
    今はもう才能が枯渇しちゃったのかなぁ。

  • みづき 2009年06月08日 15:47

    > レイさん

    未見なんですよ。気になってるんですが、題材がサーフィンってところがイマイチ食いつけないところです。
    好き嫌いダメですね。

  • みづき 2009年06月08日 15:48

    > ひげひげさん
    北野映画はほんとうに優劣がハッキリしてるんですよね。今となってはもう予想つくけど、ほんと最初はわからずにダメでしたねー^^;

  • みづき 2009年06月08日 15:50

    > レノンさん

    表層的にはとても過激なんですけど、根底に流れてるのが「優しさ」ですよね。私も人間性は本当に大好き。人としても笑いの巨匠としても。
    彼の歌もすごくいいですよ。

  • みづき 2009年06月08日 15:51

    > エニフさん

    リアルタイムでは見てないです。子どもには難しすぎますからねw
    自分の成熟度が上がるたびに見る印象って変わりますよね。映画って。

  • みづき 2009年06月08日 15:54

    > 公爵さん

    期待することは、感情のゆさぶりですね。ストーリーに入り込めばそれだけいろいろな感情にぶつかります。登場人物の。キャストの、監督の。間接的にでも接する事で自分の栄養になります。

  • みづき 2009年06月08日 15:55

    > とめおさん

    私も最近の作品にはあまり揺さぶられませんね。ただ、「アキレスと亀」は少し見てみたい気もします。

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