ホクロよりもっと猥褻

絶頂が近づくと
彼女の胸元にそばかすのような点々が浮き上がり
さらに私の動きに合わせて
次第次第に夕焼けのような朱に染まっていく。

彼女とのセックスで
一番記憶に残っているのは
その変化かもしれない。

いままでセックスで失望したことはない。
もちろん相手によって色んな形があるのだが
快感と幸福感を感じなかったことはない。
たとえそれが刹那だったとしても。

お相手ごとにセックスにまつわる色んな思い出がある。
その時の姿態はもちろん、声や香りも。
どんな服を着ていたかが記憶に残っている人もいる。
ああ、あの時はジーンズを脱がせるのに苦労したっけ、という具合。

不思議なもので乳房の大小よりは
乳首の方が記憶に残っている場合が多い。
形や大きさ、陥没乳頭の方もいたっけ。

ただ、ホクロの位置までは気にしたことがない。
そもそも薄明りの中での行為が多かったから
よく見えなかったのかもしれないし、
ホクロの数を数えるよりも
もっと気持ちのいいことに集中していたのかもしれない。

ちなみに私のペニスにもホクロがあるが
ペニスを頬張ってくれた方たちも含め
そのことがピロートークの材料になったことはない。