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14th Roppongi Part 12 不自由で不自然な姿勢は 時に

2021年11月06日 02:22

14th Roppongi Part 12  不自由で不自然な姿勢は 時に

不自由で不自然な姿勢は
時に感覚を倍加させる。

このときがそうだった。
隣のスツールから倒れこんで
抜き出して佇立させたペニス
じゅるりと呑み込んだ。
ちょうど助手席から体を乗り出して
フェラチオにふける
カーセックスの始まりの形だった。
舌の動きも
吸い込み方も
歯を立てるさまも
やはり淫らそのものだった。
カウンターの上でさりげない風を装うが
時に「うっ」と眉をひそめてしまう。
このときバーのスツールの後ろの
妖しいコスチュームを付けた
トルソに囲まれたスペースのソファでは
いつ来ていたのか、
まだ若いカップルがぎこちなく座っていた。
指でかき回すさま
ペニスをくわえて顔を上下するさま
が手に取るように見えたはずだった。
事実、ふりかえって見てみると
四つの瞳が熱く注がれていた。
女がフェラチオを中断して
そのカップル
にっこりとほほえみかける。
「さあ、あなたたちも」
「あとで一緒にね」
「見てね。見ててね。」
そういうと、自らの手で性器をかき回しだし
いっそう激しく口を使い
そのさまがもっとよく見えるように
身体をひねりスツールの角度を変えた。
見せることで、今日もたかまりだしている。
指を伝う愛液の量でそれがわかった。
「ああ、見られると、見られると…」
「濡れるの。濡れるの。いっぱい」
自らの指で高まってゆく過程。
おいしそうにペニスをしゃぶる光景
すべてさらしながら
もう抑制が効かない
高みにのぼりつめている。
まだ青さが残るそのカップル
ここまでの刺激に
我慢ができなくなったのだろう、
男は乳房を吸いながら
スカートの下に手を入れて
これも小さなパンティ
ひざまで下ろして
性器に指を這わせている。
女はベルトをはずして
佇立するペニスをつかみだし
こちらの女性
同期するかのように同じペースで
フェラチオを開始した。
もちろんときに視線を交錯させながら…

ぬちゃぬちゃ
べちゅべちゅ
じゅぶじゅぶ
という音が静かな空間に響きだすと
「ああ」
「ああ、ああ」
「いいの、いいの」
というあえぎ声が
コーラスのように重なり合い
やがて
「いいのよおお。うわあ」
「いっちゃう、いっちゃうよおお」
「いくうううううう」
と絶叫の合唱になった。
痴態の見せ合いは
視線の数の足し算ではない。
掛け算。
時に乗数。
比較にならないほどの快感を与え合いながら
アクメに向かって駆け上ってゆく。

突然、
「うっ」という低いうめきが
ソプラノ合唱にまじりあった。
たまらず、若者
精液を女の口に注ぎ込んだ。
眉をしかめ、それでも必死に
その愛の証を受け止めようと
嚥下する姿がかわいらしかった。
唇の端から濃厚な液体をたらしながら
恥ずかしそうに
でも、うれしそうに
微笑んでいる。
若さへの嫉妬がこみ上げてくるのは
こんなときだ。

少しの中断だったが若者ペニス
早くも再び天をついている。
少しの中断だったが女の性器
前にもまして愛液をほとばらしている。
二度目の射精に向けての行為が再開されたが
こちらは悲しいかな始まったばかりだ。
高まり方はゆるい放物線でしかない。
直線的に伸び上がる若さは、
もうとうにおいてきてしまった。
その無念さをはらすかのように
指を激しく使う。
前後に動かすだけでなく
入れた指を百八十度ねじりながら
出し入れをくりかえし
時に指先を曲げて
クリトリスのちょうど裏側のあたりに
くちゅくちゅと刺激を加える。
この刺激と、
卑猥な体勢と、
見られる快感が作用してか
「いくうう。吹いちゃうう。」
「あ、やだ。やだ。」
「やだああああ」
そう喚くと、まるで失禁したかのように
はげしく噴出させた。
「みてええ。吹くとこみてええええ。」
「み、みてええええ。」
カップルの方に思いっきり開脚させて
ぴゅうぴゅうと透明な液を撒き散らす。
なお抽送をくりかえすこちらの指の間から
ふきだし、流れだすさまはとてつもなく卑猥だった。
若いカップルの目が
しばし釘付けになったかと思うと
次の瞬間には模倣が始まった。
だが、潮を吹く前に高みにのぼってしまうらしく
再現はならなかった。
「ね、ね。またして。まだ出すから」
「あなたたち、見てて。見てて。」
「ああ、そう。そう。その指よ」
「で、出る。噴く。吹くよおお」
「みてええ」
「ほらあああああ」
スツールをぬらし
「だめ。吹いちゃう。」
ずりおろしたスカートをぬらし
「うううううう」
言ったとおりに紫だったが
思ったよりはるかに小さく卑猥
Tバックにじゃあじゃあと打ち水をしながら
鋭い高みに達する。
スツールの上での不自由な、
それだけに限りなく卑猥な身体の交錯。

若いカップルを巻きこみ、
知らぬ間にさらに増えていた観客の視線を
意識しながら、ショウはなお続くようだった…

(続く)

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