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趣味は読書、塵

2021年05月19日 01:40

昔、「ふるほん文庫やさん」というそのものズバリの、文庫専門の古本屋があり、その成り立ちを書いた本「ふるほん文庫やさんの奇跡」を買った。
23年くらい前の話である。
神保町の確か東京書店の片隅に、「ふるほん文庫屋さん」コーナーがあったように思う。
一度訪れたことがある。
結局、事業に失敗して、店主は失踪。
もう、高齢だろうから亡くなっているかもしれない。
改めて拾い読みしてみると、やはり、所々おかしな部分はあった。
趣旨に賛同して、社員になってくれた人の退職金を何千万も借りていたり、一度も会わずに、強引に結婚したり。
当時は面白いと思って読んだが、こうなるとやはりおかしい。
しかし、古本屋を開業するまでの雌伏の時代に、講談社学術文庫の「沢木興道聞き書き」を紹介している部分があり、影響されて僕はその本を買った。
「ふるほん文庫やさんの奇跡」を読まなければ、多分僕は、この本を一生読むことは無かったと思う。
僕の読書生活で、他にこの本に出会うような瞬間は無かったからである。
特に、この本に紹介されているひたすら毎日座禅を組み、大根飯ばかりを食べているという部分になぜか惹かれたのだ。
事業の失敗や失踪は間違いなく悪いし、この本自体にも後から見れば、おかしな部分もあるが、小さな塵を一つ僕の心には残したのだ。
骨折り損のくたびれもうけにも、何か意味があるのだろう。

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