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5th Kiyosato Part 15 快晴。高速は空いていた。

2017年07月15日 18:10

5th  Kiyosato  Part 15  快晴。高速は空いていた。

快晴。高速は空いていた。

途中、なんどかこちらの左手をつかんでは
大きく広げた太ももの間にいざなってくれる。
目がかすんだようになって
すでにそこはじっくりと濡れてはいるのだが
それを楽しむことができない。
いつもなら確実に訪れるであろう興奮と
それに続く佇立がないのだ。
ま、深刻に考えても仕様がない、
一時のことだろうさ、
現にススキノでもすぐ常態にもどり
せっかく誘ってくれたのに
女性の部屋にいかなかったことを
ひどく後悔したっけな、
などと考えながら
あえてゆっくりと走らせていた。

突如、突き上げるような欲望が訪れたのは
競馬場の横を通り過ぎているときだった。
スカートをまくりあげて
例によってつけている
妖しいTバックのクロッチをずらして
薄いヘアに囲まれた部分をさらしながら
股を大きく開いた。
そしてこちらの左手をいざなうと
中指と薬指を立たせて
性器の中に手をそえてつっこみ
ため息とともにシートバックにのけぞった。
そして激しくこちらの指をつかってかきまわす。
男の手を使っての激しい自慰
ばらりと顔にかかる前髪から
こちらをのぞく、焦点のない爬虫類の瞳。
その光景
その行為。
その香り。
その音。
に一挙に興奮がおとずれ
ペニスが硬くなった。

この変化にすぐ気づいたらしく
性器をかき回す手の動きを速めながら
運転を続けるこちらの耳に
熱い息を吹きかけ
ねっとりと唾液を送り込んできた。
耳たぶから首筋に向かって
たれ流れる唾液にくすぐられて
欲望が倍加する。
もどかしげにベルトをはずして
ペニスをつかみだすと
当然のように
含み
咥え
舐め
しゃぶり
吸い
咬んだ。
そしていとおしそうに
佇立にほおずりしながら
「うふふ」と笑う。

さすがに左手をあずけられない。
狭い車内で
こちらの指を使って性器をかき回しながら
フェラチオをするのは難しい。
だが併走する高床の車に
すべてを見せつけるのは簡単だった。
見られてる。」
「見せちゃってる。」
そうつぶやくと
今度はフェラチオを続けながら
自分の手でかき回しだした。
この女とはなんどかこんな経験をしているが
今度の粘っこさは格別だった。
こちらが不能だった間の不満を
一挙に取り戻そうとしているかのようだった。

だがここまでくると
明らかに危険運転だ。
とりあえずたかまる欲求を抑え込んで
女を助手席におしもどし運転に専念する。
それが不満だったらしかったが
それでも、露出自慰を続けるさまに
興奮と戦慄を覚えてしまった。

ようやく女が住む川沿いの土手道に入る。

まだ女が離婚する前
亭主が早めに帰宅
部屋の窓の灯りがついているのに
いや、ついているからこそ
その灯を見ながら
駐車場の片隅で口内に放たれた精液
一滴残らず飲み干した。
その灯を見ながら
道路の片隅に停めた車の中で
全裸で求め合った。
その灯を見ながら
土手の道と川辺の間の藪の中で
立ったままで狂おしく身体をつないだ。
その灯を見ながら
エントランスの脇の暗がりで
口腔性交を繰りかえした。

亭主がいる、自宅のそばでの不倫
それは、この女にとって
あまりにも鋭い刺激。
あまりにも甘い快楽
あまりにも激しい悦楽。
そして
あまりにも苛烈な復讐なのだろうか。

だから、
なんどか狂おしい瞬間を迎えたその場で
まるで淫乱な恥行のための旅を
締めくくるのは
当然のなりゆきだった。

車を停め転がり出るように
川辺に向かう。
すっかり硬度が回復した男は
ベルトを緩めたまま
もう何度のぼりつめたかもわからない女は
濡れてずりさがったTバック
まとわりつかせたまま…

虫の声に絡んで鉄橋を渡る電車の音。
時々聞こえる先客のカップルのよがり声。
いささか豊穣なBGMだった。

(続く)

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