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女と男

2012年05月29日 11:24

女と男が知り合うのに、どこでどう知り合おうとたいした問題でない。

隣近所で、学校で、職場で、居酒屋で、バーで、ネットで、

いろいろあろう、問題は知り合った後だ。

女がいる、
男を若いときからさんざん遊び歩いてきた、

ま、どこにでもいるフツウの女だな。
結婚して子供ができて、不倫して、また男を漁って、

誰でもやっているおきまりコースだ。


そうはいっても、人生ってなかなか一筋縄でイカないモノだ。

亭主の会社が倒産して、一転、貧乏になった。

離婚して女で子供を養育しなければならないハメになった、
中学生高校生、学校に入れなければならない。

女は男漁りで陰で有名だったから、このときばかりは世間はこの女に冷たい。

親戚縁者はもとより誰も寄りつかなかった。
女と同じ同類の女とみられるのがイヤだった。

人は落ち目の人間にムチ打つ。
陰湿に容赦はない。

女は当然、生きる術は水商売しかない。

こういうところに来る男はみな下心で、やらせろ、だ。
間違ってない。

女は生きるために、不特定の男とやっていた。

しかし女の細腕では稼ぎはたかがしれてる。

一家3人、食うのはなんとか食えたが、教育費が出ない。

高校に入る子、大学をめざす子、
みんな家庭の事情は知っている、
うんで、息子たちは働くつもりでいたが、
ふんぎりに、高校、大学の試験を受けてから、諦めたい。

子供たちの気持ちは分かる。母に止められない。

うんで、両方とも試験に合格してしまった。
子供たちは最初から諦めていたから、キッパリと諦めていた。

さあ、女が胸の内で一人で騒ぎ始めた。胸の内の心臓が止まらない。

関係を持っていた数人の男に、事情を話したが、誰も取り合ってくれない。
女はそれ以上、何も言えない。

女の男漁りは幅が広い、20代もいれば60代もいる。

誰にも相手にされなかった女は、ダメ元で60過ぎた独身ジジイに話を持ち出した。
一通り話を聞いて、

そうか、わかった、といって、500万だした。
女は喜んだな、必ず返します、必ず返しますとな。

ところが、カネを渡してす数日後、
男はこう切り出した、
オレとおまえは今まで、別にカネでやりとりしていない、

それなりに、オレはおまえが気に入って、抱いていた。
ここでカネのやりとりが発生してしまった以上、
おまえはオレに必ず、負い目を感じるはずだ。

負い目を感じた女を抱いてもおもしろくも何ともない、
うんだから、オレはおまえをもう抱かない。

で、それから、男は一切、女のところに立ち寄らなくなった。

女は泣いたな、
男に借りた500万を返すため、せっせと爪に火をともすように、
なけなしの金を貯めた。

むろん、女は一切の男と関係を絶った。

苦節15年、やっと借りた500万円の金はできた、
女も60近くになろうとしていた、
男はもうこの年では誰も相手にしない。

うんで、昔聞いた住所を頼りに、女は男の元に行った。

男はとうにいなくなっていた。
人づてに聞けば、孤独死していたらしい。
とすると、あの、500万円は最後の虎の子だったかもしれない。

ぎゃああ、

女は血の涙を流した。


オイ、女と男の関係でイッタ、イカナイなんぞ、屁みたいなもんだな。


オレか、悪女の締め付けがきつくて困る、ギャハハハ。

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