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心中

2012年06月04日 12:11

江戸時代には無理心中というのがあった、

この心中には幕府は過酷をきわめた。

3等以上に係累を及ばせて、連座させた。

つまり、心中を図った当事者の親兄弟はもとより親戚縁者も、罰せられる。

日本という国は、今でこそ個人主義自己責と言うことで処理されるが、

戦前の日本はそんなハナシで済まない。親類縁者が何事にも関わってくる。
メンドーと言えばメンドーだが、ほとんど何事にも生活の基盤は相互扶助になっている。
うんだから、今のような、孤独死なんてあり得ない、原理的に発生しない。
コミュニケーション欠如なんてあり得ない、
コミュニケーションありすぎて脱走したいくらいだ、
ありていに言えば、プライバシーなんてハナっからない。

うんで、心中だが、

江戸築地町界隈は繊維問屋が軒を並べていた。
いつの世でもみんながみんな上手く行ってるとはかぎらない。

ハナシは、ま、だいたい、番頭と若女将がデキている、と言うハナシになる。

能なし旦那は吉若の女や後家にイレをあげて遊び歩いている。
デキのいい若女将とデキのいい番頭が店を切り盛りしている
だいたい、どこにでもある図式だ。

先にも言ったように、幕府は不義密通にことのほか厳しい。
不義密通者には死体ムチ打つ。

心中者には死体に鞭打つどころの話でない、
親類縁者まで係累が及ぶ、闕所にされる。
闕所とは家屋敷が差し押さえられて没収される、過酷をきわめる。

うんで、心中で一番騒ぐのは、この係累が及ぶ連中だ。
身内親戚に心中者が出ようもなら、堪ったものでない。明日から路頭に迷う。

だから、相互監視が日常絶えることがない。
ナチスユダヤ人ユダヤ人に密告させる以上のものがあるな。
密告すると収容所行きは猶予されるからだ、
うんで、ユダヤ人はみんなで密告に励んだ。

虎視眈々と、そのような気配があればみんなで心中を潰しにかかる、
そりゃそうだわな、親戚縁者はみんなイノチがかかっている。

それでも、そういう針の穴を抜け出る剛の男と女もいるモノだ。

くだんの築地町の番頭と若女将もその剛の者中に入る。
惚れて腫れて好いて好かれて、思いを遂げたい、今生ではムリだ。

想い余る胸の火は止まらない。
裏庭で逢瀬を重ねても晴れて夫婦となることは永久に叶わない。
人に後ろ指さされる不義の思いがさらに恋心を熱くする。

人とは、特に男と女とは、なんと不条理なことか

ありあまる恋心の想いは宇宙を駆け巡る。
もはやここまでくると、親戚縁者の顔はない。
男と女の甘美な愛の世界だけだ。

普通は、恋する男と女の姿は周りのモノは気づくはずだ。
しかし、世間を知り人の機微を知ると
番頭も若女将もそんな甘い恋なんぞしない。

うんで、世間はつゆ知らず、親戚縁者もまったく気がつかない。
番頭も若女将もあまりにも巧妙に恋を達成している。

だが、この燃え上がる気持ちをなんかしたい、今生ではムリでも
来世では誰にも後ろ指さされない、晴れて一緒になりたい。

ついに二人は決心した、

で、江戸橋で丑三つ時に身を投げる準備に入った。

し~ん、真っ暗闇で、おたがいの顔すらはっきり見えない、
イヌが月に向かって吠えている。
橋の下の川面が大きな口を開けて獲物を待っている。

番頭と若女将は二人で
手と手の手首に紐を巻き付けてしっかり外れないように締めようとした。

ところが、番頭が若女将に、
どういうわけか、

真剣な面持ちで神妙に切り出した.


なあ、おまえ、今生の思い出に、

最後のおまんこやって死のう、

.............


できないことはない、橋の欄干に手をかけて、
ケツの裾をたくし上げるだけで、若女将のふくよかなまんこは立ち現れる。




若女将は

とうとう、吹き出した。


聞くところによると、親類縁者は普通に暮らしている。
めでたしめでたし

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