どんな人が好きですか？ 続き x8

さぁ、じゃ出発だ。
この街にはメジャーな醤油の醸造所が二か所、そして小さな醤油醸造所も幾つかある。

その中で当社のビジネスにつながって、品質が高く、顧客満足と購買意欲の両方を満たせる商品を提供できるパートナーを探すんだ。
時間は掛かるかも知れない。
でも、必ずそう言うものが提供出来るパートナーを見つけるんだ。
それが我々のミッションだ。

部長、責任重大ですね。
でもなんだか楽しそう。

おいおい、遊びじゃないんだぞ。
それに、今日はデートじゃないぞ（笑）

部長、そういえば私、お腹が空きました。
先ずは先にお昼とりませんか？
えーと、この街のグルメと言えば、お魚ですよね。
何処か良いお店知りませんか？

そうだな、そう言えばちょっと早いが先にお昼にするか、、。

......
......
......

部長
醤油は大豆、小麦、塩から出来るんですね。
それに、麹菌を加えて発酵させる。
それが麹なんですね。

そうだ、その発酵の為に温度管理が大変重要なんだ。
職人が発酵の状態を見ながら微妙な温度管理を細かく行う事で良い麹が出来る。
大体この工程は3日間。
この間職人は寝ずに麹の状態を見ながら愛情を注ぐ。
その後、麹に塩水を加えてもろみが出来る。
それを熟成させて搾ったものが醤油だ。
機械を使わない手作りの場合は、この状態で一年から二年の熟成期間が必要なんだよ。

部長、
どうしてそんなに醤油の事が詳しいんですか？

そうだね。
実は僕は中学卒業まで、この街で育った。
父親は既に亡くなったが、醤油の職人だったんだよ。
だから毎日、醤油の話を聞いて育った。

丁度高校に入る前に、父親がアメリカの醤油工場の立ち上げで渡米したんだ。
で、僕はアメリカで、高校、大学と過ごしたんだよ。

そうなんですね。
だからこの街に？

僕はこの街にも醤油にもとても思い入れはある。
でも、それはビジネスとは関わり合いは無いよ。
良い製品をお客様に届けたいだけだ。
それを君に手伝って欲しい。

部長、
金目鯛の煮付けってこんなに美味しいんですね。
東京のお店とは全然味が違う。
なんででしょう？

あはは、
きっと魚が良いのと、地元の白醤油を使ってるからかな。
Sさんはなかなか舌が肥えてるね（笑）

部長、
最近の女子は良いものや美味しいのものには敏感なんですよ！
今日の晩御飯も楽しみ！！！！

おいおい、だから、今日はデートじゃないって。
たのむよ、、（笑）