デリケートだぞ！　「男のヤワ肌」

幼少の頃、小学１年生ぐらいまでの私は。
そりゃあもう、ちょっと尋常ではなく、お肌が弱かったです。

冬場になると、ある日突然、手の甲がぱっくりと。ざっくりと。
割と大きめに横一文字に、何もしてないのに裂けて、出血。
そのつど、手はぐるぐると包帯巻き。

冬の、冷たく乾燥した空気の中では、普通の人でも肌から水分が失われて、
手がカサついたりしますよね。私の場合はそうなるとあっけなく、
手の肌がギブアップ。カサつきが極まって、パカッと裂けてしまうんです。

あまりにも酷いので、お医者さんから
「君はもう、トイレに行っても手を洗うな」
なんて言われる始末。擦るのも、水も石鹸も、肌に負担がかかるからです。

厳寒の中で水仕事させられてた「おしん」や「小公女」だって、
ここまで酷い手ではなかっただろうってレベルですよ。ほんとに。

で。
そんな私でしたが、中学高校大学と成長するに従って、その症状はなくなりました。
あるいは母が、体質改善にと飲ませ続けてくれてた、
ハトムギ茶なんかが効いてくれたのかもしれません。

んが。
介護福祉士の資格を得る為、老人ホームへ介護実習に行った時のこと。
そこでは、寝たきりの高齢者の介護をするので、
「排泄介助」と「食事介助」があります。

つまり。
オムツを広げて、べちゃ～っとした便＆尿をテキパキと処理した後、食器を持って
「はい、あーん」をしなくてはいけません。（実際にはそんなセリフは言いませんが）
当然、一日に何度も何度も、厳重にしっかりと、手を消毒せねばならず……

はい、予想通り。
復活！　私の肌荒れ！

とはいっても。
幼少の頃と同質ではなく、今度は指です。指のあっちこっちが、パカパカと
割れるようになりました。出血はたまにしかありませんが、これはとにかく痛い！

想像してください。
例えば中指の内側、間接と間接の真ん中に、「縦に」切り傷ができたとします。
その状態で、指を曲げる……ぱっくり。

あるいは。
爪の軒下、爪と指の隙間のところが横一筋……ぱっくり。
ここに爪楊枝を差し込むとか、拷問の定番メニューですからね。
激痛の急所なんですよ、ここ。そこにざっくり。

指ってのは、細かい作業を要求される部位ですから、
神経がギッシリと詰まってるんですよね。だから痛い。
脚だったら気づかないような小さな傷でも、指先だともう痛い痛い。

今、この文章を打っている今も、右手に絆創膏が４枚張られてます。
真夏の、水仕事なんかしてない生活でも、その有様です。まぁ流石に、
夏場は常時ではありませんけどね。
冬場は常時です。酷い時は、両手合わせて２０枚の絆創膏が張られてます。

液体絆創膏も試しましたけど、あれは傷口につけた瞬間がかなり痛いのと、
塗り方によっては結構簡単に取れてしまうのでボツです。水にも弱いですし。

塗り薬、クリーム。アロエ、尿素、ステロイドだかヒスタミンだか？
いろいろ試しましたが、どれも効かず。手袋つけて寝るやつとか、
機械で紫外線だかなんだかを浴びせるとかもしました。でもダメ。

こりゃもう完全に生来の体質、諦めて付き合っていくしかないな、と思ってます。

と、いうわけで。私は言いたい。
乙女の柔肌、とか。白魚のように美しい指、とか言いますけど。

美しいスベスベの肌というものは！　イコール、「強く逞しい強靭な肌」だっ！
サメのようにトドのようにアザラシのように、頑丈な丈夫な肌だっ！
ヤワい肌であれば、肌荒れに負けてしまい、美しくなくなるんだからっっ！

強くなくては、美しくなれない！　美しいことは、強いことの証明であーる！

って、まあ。
こういうのは、私ほどではないにしろ……いや。
あるいは私以上に、肌荒れに悩まされている女性の方もおられるでしょうから、
釈迦に説法でしたかね？

☆ちなみに☆
不思議なことに、絆創膏を貼ると、「指の内側の縦の傷」までもピタリと
痛くなくなるんですよね。まだ治ってない、貼った瞬間から、指を曲げても痛くない。
「指を曲げたら縦の傷口がパカッ」は、空気や水との接触を阻む、とかとは関係ない
はずなのに、なぜか痛くなくなってしまう。ほんと不思議です。

☆もひとつ☆
昔はそんなことなかったと思うのですが、最近は基準が厳しくなりまして。
なにかって、献血。指先の小さな切り傷一つでアウト。断られるんです。
「健康には人一倍、気をつけてる私の血なら、世の為人の為に役立つであろう！」
と思い、もう３０回を越えてる献血ベテランの私としては、門前払いが悔しい。うぅ。