夢を叶えたって

今日、実家から電話があり

私宛に、手紙が届いたと連絡がありました。



誰だろうと思い、自宅に行ってみると

記憶を呼び起こしても、なかなか思い出せない。





中身を読んでみようと思い、開けてみると
2通の手紙。





1通は、小学生のような文章
もう1通は、大人が書いたような文章。



全てを読んで、全て思い出しました。



まずは、小学生の文章から
そのまま抜粋します。




「おにいちゃん、おねえちゃんへ

野球してくれてありがと

かけっこしてくれてありがと

おともだちしてくれてありがと

おとうさんみつけてありがと

おかあさんみつけてありがと

おひっこすのはあしただから

おにいちゃんげんきにな

おねえちゃんげんぎだよ」



そして、大人の文章

「お久しぶりです。覚えていますでしょうか。

10年以上前に、総合施設○○であなたがたにお世話になりました

△△です。

お二人に報告したいことがあり、手紙を書きました。

そして、子供のころに出しそびれた手紙もともに、送りました。




大人になるにつれ、あなた方お二人に助けていただいたことを

胸に秘め、感謝をわすれないよう

そして、初志貫徹の大切さを

ここに書きます。




幼きころの私と、私が疲れるまで遊んでいただき

ありがとうございました。

大人だったお二人には、大変だったことでしょう。

そして、もう子供ではない私は

あなたがたに最大の嘘をいただき

今の私があります。

あなたがたが見つけてくださった私の両親が、

私の実の両親ではないことを

私は、大学入学時に知りました。

ですが、そのことで家族がおかしくなることも

また、私が家族を避けることもなく生きてこれたのは

おにいちゃんの一言を、覚えていたからです。

（愛に勝る家族なし）


当時、無知だった私には

（あいにまさるかぞくなし）という

まったくひらがなの呪文のように覚えていました。

しかし、知能の低下していた私に勉強を教えてくださり

人並みに勉強を理解できるようになった私には

最高で、最大の言葉となりました。


今も両親とは、血のつながりなど関係のない

正真正銘、本当の家族です。




今、私はおにいちゃんとおねえちゃんとの約束を守り

そして、果たしたことを報告します。




私は今、東北福島県にて

医師として活動しております。

経験の浅い私がよくこれたものですが

自分の行動が、少しでもあなた方に近づけるよう

自分なりに考えて出した答えです。

小学5年生の私が、ひらがなしか書けず

友達もおらず、言葉もなかなかまともに話せず

それでも、お二人は私に沢山優しくしてくださいました。




お二人の優しさを受け、育った私は

ぜひとも恩返しがしたい。

僕のようなものでも、夢をかなえられるのだと

次世代の子供たちに教えたい。

その思いで、毎日頑張っています。






いつの日か、こちらでの医療活動に余裕ができたら

かつての私の古巣、総合施設○○へ

そして、あの優しかったお二人の元へ

尋ねていきたいと思っています。





私に夢と希望をありがとうございました。」









真っ先に、墓前へ報告に行きました。



ねえ、私たちは少なくとも

一人の子の夢をかなえるお手伝いが、できたみたいだよ