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【魔法少女っ】41-4、タイが曲がっていてよ

2011年11月03日 04:40

放課後が来た。
校舎裏で待つ茜と、固唾を飲んで美術室から見守る小春千歳
手紙の意図だと、差出人側が先に来る段取りに思えたが、校舎裏に先に待つのは茜の方だった。
比較的気楽だが、いつかは緊張する瞬間を迎えるのだ。
人影が見えた。
高等部制服だ。
「なんと、歳上ですわ」
演劇見て憧れ!先輩キャー、という線は消えたね」
観客なき中継をする小春千歳
「え?…………琴さん」
アドルフさんを抱えたまま驚く茜。
あらあら。遅れちゃってごめんなさい、茜ちゃん」
東原琴だった。
「な、なんとー!」
「おちけつですわ。どっかの女子校スール制度みたいなもんですわ」
美術室内でバタバタなふたり。
「ごめんなさい。付き合えませんっ。わたし好きなひとがいるんです。ごしょうかいします。アドルフさんですっ」
テンパって脚本を一気に読む感じの茜。
あらあら。そうだったの。でもね、その程度で引くような生半可な想いではないのよ。では、告白しますよ……」
琴は目を閉じて、胸に手を当てて深呼吸した。
「はい、どうぞですっ」
「わたし、東原琴は……清澄茜を……倒すっ!」
なんと、好意だけでなく敵意の告白であった。
「どういうことです?」
ぴよぴよっ!」
アドルフは緊張感を持った目で合図した。
「実はわたし、人間じゃありませんの」
「そんな。琴さんは琴さんですっ!」
「そう。わたしがわたしであるために、大好きなあなたと向き合い、正々堂々と勝ちたいのよ。今までこそこそしててごめんなさいね」
琴はラウンドドライバを持ってつきつけた。

千歳、解説プリーズ」
「手紙は、両方だったのですわ」
恋文と果たし状。
「どっかで体験したシチュ……」
小春はアドルフを見て言った。

「かきならすは冥府への夜奏曲。闇影の魔法騎士っ、ダークシンフォニー!」
茜の目の前で変身する琴。
「いざ、尋常に勝負。勝者にはこれよ」
琴は宝石箱を抱えていた。これを目立つような位置に置く。
ぴよぴよっ
茜の制服の裾を引っ張るアドルフ。
「あ、はい。受けて立ちますっ。でもその箱はなんです?」
「わからないわ。でも魔法騎士に更なるチカラを与えると言われてるの。ちょっと故あって今ここにあるけど、ワッフル世界の宝物よ」

「姉者は退路を絶って臨んでいるんだ」
美術室内にいつしか加わった影。
「かずねちゃん?」
「ああ。かずねは今眠っている。今のボクはもうひとりの人格だ」
「初めて……じゃないよね」
小春は既にこの人格と逢って、拳で語っている。
「ああ」
語るまでもないだろう。千歳ちんぷんかんぷんだが。
「今はそれよりも姉者の話だ。魔法騎士妖精と共にある。それはわかるな」
「うん。あたしの場合はクポー」
「わたくしと有希さんの場合はサラですわ。もっとも有希さんは麻衣子先輩にチカラを託したから、微妙ですがですわ」
「ボク達にも妖精がいる。しかし姉者はその妖精を絶った」
あのレイチェルを琴は拒絶したのだ。
「なんでまた」
妖精が卑怯者だったからだ」
「別に妖精が卑怯だなんて、今更な事ですわ」
妖精との付き合いの長い千歳は溜め息をつく。
「姉者的には我慢ならなかったのだろう。だから妖精からアレを奪って、茜ちゃんと、恐らく最後の勝負を」
「ますます似たシチュと」
小春は窓越しにアドルフを睨んだ。
妖精を絶った魔法少女がどうなるかはわかりますわ。消費魔法力の回復が追い付かなくなり、やがて闘えなくなりますわ」
「恐らく今日が、姉者がフルパワーで闘える最後の日。ネオバビロニア打倒ではなく、茜ちゃんとの勝負に浪費するのは経済的ではないがな」
「いいひとじゃん。琴姉さん」
そしてダークコードがわざわざここで語ったのは「オトコの勝負に手出しすんなよ」という事だ。
小春は見守る事にした。

あかね色に染まる風。夕陽の魔法少女カーマイン!」
「うふふ。可愛いわよ、茜ちゃん」

続く!

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