- 名前
- ヴォーゲル
- 性別
- ♂
- 年齢
- 74歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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気分はもうヴァカンスだなあ
2006年05月13日 06:02
今日も何もすることがなかったので、さて、桜の並木は今年はゆっくり眺めることが無かったものの、そろそろ大木の葉やその間から大型のインドのコーン型の線香、というのも少々矛盾する言い方だが、そういう花の塊が美しく咲いていることも思い出し、うちにある今風ばかちょんカメラでスナップを撮りがてら散歩に行こうと自転車に乗って出かけた。
それで、あちこち近所にそびえる大小の栃の木を眺めていて大きい木は概ね白なのだが小振りのものは紫の、それも、すみれにすこし赤が混ざったような色なのだ。 それに、この時期、気がついたらいっせいに大きな柏のような、けれど薄くて明るい緑の葉っぱの間から大小の花の塊がモコモコと現れているのでそういうモコモコに目が奪われて通りに出てシャッターを押していた。
すると、黄色いイージーライダー風大型オートバイに乗って映画の中で見たようなヘルメットをかぶった中年ヒゲもじゃ男が私の前を通り過ぎるや戻ってきた。 また、このあたりの道を尋ねようとするのか、と待っていると、にこにこと、こんなところで何をしているのかと握手の手を差し出すからいぶかって、ヘルメットとサングラスを外すのを眺めているとそこから出てきたのは、孫ももう何人かいる射撃クラブのメンバーである。 天気がいいからガレージに入れてあったオートバイに風を当ててやるのに出てきてこの近くの運河沿いの道が今新しい小橋の建設中で通行止めになったのでここに迷い込んだのだという。 みると黄色いボディー、タンクの腹にカタカナで「サべージ」と黒く見える。 読んでみろ、というので発音すると、あってるみたいだなあ、と笑う。 もう半年以上前、クラブで頼まれてカタカナをコンピュータで書いて大きくプリントアウトしたものを渡した覚えがある。 クラブのメンバーは、私の属する古式銃グループは射手もみなアンティークで定年はとっくに済ませている連中ばかりであるがオートバイに昔から乗っているものが多い。 この時期になると寒い時期に補修、改造、ぴかぴかに磨いたものに思い思いの意匠をこらして乗りまわる。 ボートやヨットをもつものもあり、それにもカタカナの名前を書いたものがいくつかある。
オートバイでは、壮年の、本格的にツーリングをしようという連中はBMW、金持ちのちょっと悪ぶるものはハーレー、中クラスはホンダ、カワサキ、スズキなのだという。 若くて高速でレーサー気取りで飛ばす連中にカワサキが多いとのたまう。 で、これはスズキのサべージ、でどうとかこうとか、自慢のマシンをどう改造したかを道の真ん中の講釈が続いたが、なるほど普段金曜の夜クラブで、銃のメカから来歴まで細かいことを飽きもせずにしゃべりあうのと根は同じこと、一歩興味が外れるとさっぱりわからない。 近くにカフェーでもあればそこで二人で日向ぼっこでもしながらあれこれ話せるのだが、バイクが風を欲しがっているとまた、サングラスとヘルメットを着けて400ccの力のある音を響かせてその70近い男は去っていった。
街の中に入って小さい用事をすませてぶらぶらしていると人の服装、町のなかの雰囲気がもうヴァカンスのようでうきうきと緩んでいる。 町の中心あたり、市役所の裏の運河沿いのカフェーのテラスにはもう上半身裸の若い男、ビキニの上半身で日光浴する女たちも混じり、めいめいが飲み物のグラスを前に太陽の方に顔を向けてのんびり坐っている。 もうこうなれば誰も仕事など手につかなくなる季節になっている。
けれど、我々はまた、こういう天気が少し続いてもまたそのうち雨が続けばセーターを着て曇り空の下でうごめく日々もあることを承知しているので、それは暫く考えないで今はビールと日光に専念する態度をしっかりとるのである。
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