尾行２

前回の続き。
あ、あくまでも妄想の上でですよ、念のため。
深夜の帰り道。例えば、駅から自宅までの間。最初は大勢が同じ電車から降ります。まずは駅のこちらと向こうで大きく二分された人の群れは、道をたどり、分かれ道を迎えるたびに、少しずつ数を減らしてゆきます。そんな中を歩いてゆく私の前に、常に貴女が歩いています。貴女の後ろ姿は、まるで私を誘っているよう…
ずいぶん歩いた頃、いつの間にか二人の他に人影はなく、貴女が背後を気にし始めます。そこで、じりじりと距離を詰めてゆくと、貴女は足を速めます。駅からはだいぶ離れ、あたりに人家もまばら。もはや邪魔物はなし。
まあ、だいたいこのへんで、貴女が自宅に到着して、安全圏に逃げ込んでしまって、深夜の妄想劇場は終わりを迎えるのが現実ですがね…
もちろんイメチャでは、次の一幕があるわけです。