デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

幸福の向こう側…最終章

2009年05月10日 10:53

こんな状況は…
全く想像していなかった…

ヒロにかける言葉が思い浮かばなかった…



ミサキに話しかけて…
抱っこして…


その場の空気ごまかしている弱い自分がいた…



何をしてあげれば良いのかもわからない…



それでも…



次の日
ヒロは…
東京に戻る僕を空港
車で送ってくれた…



車の中で…
ヒロは…
僕の東京での状況ばかり聞いてきて…

自分の事を一切話さなかった…


空港での
別れ際…





いつもの元気なヒロではなかったけれど…



いつもの様に…
僕達の挨拶…



背伸びして…
僕の頭を撫でながら…




もう…
これ以上
背…伸びちゃだめだよ…

ヒロ
背伸びしても届かなくなっちゃうから…



その仕草の懐かしさや…
ヒロの言葉…
ヒロの気持ちを考えると…



僕は…
涙が止まらなかった…



僕は…

泣きながら…

ヒロをおもいっきり抱きしめた…





シュウジ…
ありがとうね…

ヒロ
頑張るから…

シュウジも…
頑張ってね…





次に会う時は…
絶対…
笑って会おうね…


だから…
シュウジ…
心配しないでね…



ごめんね…


それから…


ありがとう…




その言葉に
僕は…


あんまり無理すんなよ! いつでも戻っておいでよ




と言うのが…
精一杯だった…





それでもヒロは…
諦めず…

毎日…毎日
自分の事を忘れた夫に対して
自己紹介し続けるだろう…







彼女自身の人生…

彼女自身の幸福の為に…






果たして…

僕達が考える
幸福って…なんだろう…



彼女との今まで…
今の彼女をずっと見続けて…



ヒロには…

僕が考える幸福じゃなくて

ヒロ自身が考える幸福になってほしい…


もしかしたら…


ヒロは…


今…


幸福なのかもしれない…



………………………



それから…


数年経って…




ヒロから…
一通の手紙と写真が送られてきた…





親愛なるシュウジへ

今まで…


沢山…沢山いろんな事があって…
何回もくじけそうになったけど…


その度に
力になってくれて…
支えになってくれて…


ホントにありがとう…



タクちゃん…

もう…
全く記憶力が無くなってしまって…
会話も出来なくなっちゃった…

結局…私にはなにも出来なかったんだ…


ずっと…ずっと
タクちゃんと一緒に生きていこうと思ったんだけど…



タクちゃんの家族やお世話になった先生看護婦さん達の後押しで…

ミサキの為にも…
自分の為にも…

新しい一歩を踏み出す決心がついたの…



聞いて!シュウジ!
ヒロ凄いんだよ
看護婦さんになっちゃった!

病院にいる間…
ずっと勉強してたんだ!


だから…シュウジ…



もう大丈夫だよ…


今…


ヒロはとっても

幸せだよ…



……………………





同封された写真には…



次会う時は絶対
笑顔で会うという
約束通り…



看護婦さんの制服を着た

ヒロの…
あのとびっきりの笑顔と…


少し背が伸びて…
可愛くなったミサキの…


楽しそうな姿が写っていた…







今…






彼女は…
間違いなく…



僕達の知らない…






幸福の向こう側にいる

このウラログへのコメント

  • なな♪ 2009年05月10日 23:41

    素敵な女性ですね♪
    心理テストって意外と当たってしまいますね

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

シュウジ

  • メールを送信する
<2009年05月>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31