デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

幸福の向こう側…7

2009年05月09日 12:04

その日の夜…


ホテルだったせいもあり 良く眠れなかった…


何がなんだか
全くわからない…



ただ…

何か…
大変な事になっているのだけは理解できた…


今までのヒロの事を考えた…

せっかく…
幸福を掴んだと思ったのに…

いや…

幸福か不幸せかなんて…
僕が決める事じゃない…




………………



いつの間に寝たのか

朝…

カーテンの隙間からの日差しで目が覚めた…


僕は直ぐにシャワーを浴びて…
病院に向かった…


…………………


病院に着くと…


既にヒロが待合室にいて

女性一人と男性二人と話しをしていた…




おはよう!
ヒロ



あっ!
シュウジ…おはよう…


あの…
こちらはタクちゃんの学生時代の友達…


何度もお見舞いに来てくれてるの…



初めまして!
東京で広瀬さんと仲良くさせてもらっている
シュウジです




すると…
男友達の一人が…



シュウジさんは…
もう広瀬と会ったんですか?



はい!
昨日会いました…

って言うか…

昨日は遅かったので
広瀬さん寝てましたけど…



えっ!
あっそう…か…
じゃあ…

…とヒロの方を向いて…

ヒロちゃん
シュウジさんはまだ知らないんだね…



はい…

ヒロが小さく頷いた…



でも…
会ってもらう方がいいね…
もしかしたら…




じゃぁ病室に行こう…




あの…
広瀬さんは…



シュウジさん…
広瀬に会ってもビックリしないで…
今迄通り…普通通りに話してくださいね…



あっ…はい…



僕は何だかわからないまま…
皆について行った…



…………………




病室に入ったら…

広瀬さんは食事が終わって…
デザートの林檎を食べているところだった…



全く…

健康そのもの…

隙を持て余して…
何だか…
入院しているのが違和感がある程…




僕達に気付いたのか…



こちらを見て…
嬉しそうに…

片手を上げて…




よっ!
アキ!みんな!



アキさん…
は多分

広瀬さんの女性の友達…



わりいな~
いつも!



元気そうね!

アキさんが答えた…



ホントだよ~

なんで入院してるのか
全然わかんないよ~




全く普通…

なんだぁ
全然大丈夫じゃん

僕は…
ホッとして…
笑顔になった…




だけど…




広瀬さんの友達も…
アキさんも…
ヒロも…


誰一人として…
全く笑っていない…




ホントに…
何がなんだか…
わからない…




その時…


僕と目があったので…




久しぶりです!
広瀬さん!
お見舞いに来ちゃいました!
大丈夫ですか?
でも元気そうで良かったですよ
ホッとしました




広瀬さんが…
怪訝な顔になったので…


てっきり
仕事の心配かと…



大丈夫ですよ!
ちゃんと仕事…
終わらせて来ましたから!




アキさんが
慌てて…間に入って…




あっ!
タクちゃん!

シュウジさん来てくれて良かったね~




すると広瀬さんは…



ありがとうございます…





ございます…って…

…と

不思議に思っていると…




初めまして…

広瀬です…






えっ!?
っとビックリした途端…


今度は…


ヒロの方を向いて…


初めまして…
えっと…

アキ!
彼女はどちらさん?




アキさんはいつもの慣れたような口調で…



いやだぁ
何言ってるのよ!

タクちゃんの奥さん
ヒロちゃんだよ!





その時の広瀬さん…


ホントに…


困った顔をしていた…






その間…


約5分…





そこにいた…


僕以外の皆が…
時計を気にしだし…

目配せをし始めた…






すると…


広瀬さん…




今まで困っていた顔だったのが…
嘘のような笑顔になり…




おぅ!
アキ!

ビックリするだろ~
驚かすなよ~
いつ来たんだよ~(笑)




えっ!?





ごめん…ごめん…
驚かすつもりなかったんだけど…

タク全然…
気付かないんだもん…



アキさんとの会話もめちゃくちゃで
僕は訳がわからず…
戸惑っていると…


また広瀬さんと目が合った…



あっ!
アキ!
なんだよ~
いい男連れて来て~

まさか
俺が入院してる間に
浮気したんじゃないだろうな~

大学卒業したら結婚するからって
今のうちって言うのは
なしだぞ~



????




広瀬さんは一方的に喋り続ける…




隣の可愛い彼女紹介してよ~

と…


広瀬さんは…


ヒロに向かって会釈した…



俺の将来のお嫁さんのアキの友達は
俺の友達だからね

いつも
アキがお世話になっています!
広瀬です!




ヒロは…




下を向いたまま…



涙を流している…




まだ…

目の前の出来事が理解出来ないけど…



少なくとも…



僕と…

ヒロの事は知らない様子…



でも…



学生時代の友達の事は知っている…





アキさん…

広瀬さんの彼女なんだ…

って言うか…

彼女だったんだ…





するとまたアキさんは…
同じ事を繰り返した…




ヒロちゃんだよ
タクの…

奥さん





また…
広瀬さんが黙ってしまった…



ヒロは…
ずっと下を向いたまま…
泣いている…




見ていられなくて…




ヒロ
行こう!




と…




病室から出た…




病室から出る時…




また…
楽しそうな…
広瀬さんの声が聞こえた…




なんだよ~
いつ来たんだよ~
お前ら~



…………………





泣いているヒロの腕を引っ張って…


待合室に連れて行った…




こんな状態の中…
何ヶ月も…

毎日病院に来てたんだと思うと…

可哀相で…
僕も涙が出てきた…




ヒロは…
ずっと…
僕の胸の中で泣いている

声を押し殺して…



ヒロの事だから…
ずっと…

ずっと堪えてたんだろう…



昔の彼女
多分結婚の約束をした…
アキさんの事は覚えていて…

あの様子だと…

今は…
なのか
今も…なのかわからないけれど…

広瀬さん…
アキさんの事が好きなんだろう…



だけど…



ヒロの事は全く覚えてない…


辛いだろうに…



…………………



待合室に広瀬さんのお母さんがミサキを連れて入ってきた…





シュウジさん?
ですよね?
娘から来て下さってるって聞いたもんですから…



あっ!
ご無沙汰しています…




うちのタクと会われましたか?



はい…
たった今…




ビックリされたでしょ…





はい…
自転車で転んだだけって聞いてたものですから…




そうなんですよ…
酔って…
自転車で転んで…
頭を打ったらしく…
そのまま意識を失って…

朝まで発見されなくて…

もう少し…
発見が早かったら全く問題無かったらしいんですが…



タクは…
命に別状はないんですけど…
記憶障害後遺症が残ってしまったんです…



3分位しか記憶に残らなくて…
その前の事を忘れてしまうんです…




な…治るんですか?





お母さんは…
静かに首を横に振った…



奇跡が起こらない限り
可能性は…
ない…と…
先生に言われています…





でも…
ヒロと僕の事は覚えてないけれど…
友達の事は覚えてるじゃないですか?




先生も…
そう言う事はあるけれど
何故だか詳しくはわからないそうで…


大学迄の記憶は全部あるんです…



ただ…
それ以降は…
全くなくて…


ヒロちゃんの事も…
ミサキの事も…
全く覚えてないんです…




何かの拍子に記憶が戻る事は…
稀にあるらしいのですが…


ただ…

目の前の記憶は…
長くて…
数十分…

短いと…
一分位で…





ミサキヒロちゃん
可哀相で…



ヒロちゃん毎日…
来て…
何回も…何回も…

明るく…
自己紹介して…






お母さんも泣き出した…





ヒロが…

いつもの…

周りを一瞬で明るくしてしまうあの笑顔で…

一生懸命

自己紹介している姿が
目に浮かんで…



直ぐに忘れられても…
また…

自己紹介して…


頑張ってる姿が…





僕は…


広瀬さんのお母さんの前だったけれど…



おもいっきり…
ヒロを抱きしめた…




よく頑張ったな…
辛かったろ…




そう言った途端…

ヒロは声をあげて泣き出した…





お母さんが…



ヒロちゃんには…
何度も言ってるんですけど…
まだ若いし…

もう別の人生を歩いていいのよって…

でも…
ヒロちゃん

私に別の人生なんてありません!
私はタクちゃんの奥さんですから…って





ヒロは…
自分で納得するまで…
恐らくずっと…

広瀬さんの側にいるだろう…


ヒロはそういう子だ…





ヒロ
あんまり頑張り過ぎるなよ!

奇跡はあるよ!




うん…








僕とヒロとお母さんの周りを…


なにもわからない…



ミサキが…
無邪気に走り回っていた…

このウラログへのコメント

まだコメントがありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

シュウジ

  • メールを送信する
<2009年05月>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31