記憶-2／すぐに戻る？

そんな、嫌だ
手で確かめ様とした・・・動かせない
腰をモゾモゾと動かした
「ああ、尿道に管が入っています」
「尿が漏れない様に」
「痛くてむず痒くて、気持ち悪い・・・のですが」
「じゃあ、取りましょう」
上掛けを取ると、股間に手を入れ
俺のちんぽを掴んでいでる
あぁ、良かった、付いていた
そんな
初めて会った人に俺の・・・
幾ら看護婦さんでも、恥ずかしいじゃないか
「うっ、痛い」
「痛かった？ご免」


初めて顔をじっと見た
歳は４０歳の少し前？
キリリと言うか、凛としていると言うのか、そんな感じ
股間をもう一度見た
パンツ？が無い
ブルーの薄い色の、綿のバスローブの様なもの一枚だけ
「看護士の小池、宜しくね」
「麻生です、宜しくお願いします」
「あのー、お腹が減ったのですが」
「後から何か持って来てあげる」
「はぁ、お願いします」


そう言うと出て行った
あーあ、俺のを触られた
聞くのを忘れた・・・
ここは何処なのか
まあいいや、後で食事を届けると言っていた
その時に聞けばいい
俺がボードで怪我？・・・この俺が
崖から落ちたと言っていたな
何処の崖だ？
何処に滑りに行っていた？
一寸待てよ・・・頭を打ったと言っていたな
うん、名前は麻生拓海、そう
住所は・・・・・何処だったっけ？
えー、歳は・・・・・？
何をしていた？・・・仕事、は？えっ、学生？
・・・・どうしよう、思い出せない
名前は分かる・・・何か他の事・・・・・？何もない
そんなー、どうしよう
すぐに戻る、と言っていたなー
ああ、言っていた、良かった
でも、いつ頃？