見慣れた街並みと見慣れぬ店と

前回までのんびりと谷根千ぶらり紀行をお送りして来たわけだが

私はただ単に観光目的で日暮里に降りたのではないのである



写メの時間は今より１ヶ月前の16時12分

用事を済ませて小田急線から帰ってきたところだ



分からない人に説明すると

東京の北東からやって来て

神奈川(南西)に少し行って

そこから新宿近くまで帰ってきたところ






東京で一番見慣れた街並みだった場所

昔を懐かしみながらのんびり歩いていて

とある郵便局の近くに来たときに

ふと足が止まった



私の記憶では

ここにはアジアンダイニングなんて店は無かった

かと言って何があったと言われるとわからない

何かあったような気はするし

何も無かったような気もする



もし自分が今でも此処に住んでいたなら

明日にでも飛んで行ったのだろう

だが今の私にとって

このお店とは縁がない

後ろ髪を引かれる思いだが

もしかしたら

きっとこの店に入る事は無いのかも知れない



既に満腹になった腹を感じながら

そんな事をふと思うと

何だか少し切なくなる



きっとこの店でしか味わえない料理はないのかもしれない

自分が今居る場所でも探せば出会えてしまうのかもしれない

それでも

この場所で

このお店で

ここの人達が迎えてくれて

ここの人達が作ってくれて

ここの空気を楽しめるのは

ここにしかないんだ



これから先

私はこの店と縁があるのだろうか

この街に寄る機会があったら

この店の評判を聞いたら

知人がこの店と繋がっていたら

その時はまたこの店に自分のアンテナが向く



だが現実問題

この店で食事をするという行為は

今の私では優先順位が果てしなく低い



それでも

今この店の存在を知ったという事実は変わりない

そこまでで終わる縁だったとしても

私はこの店の存在を知ってしまった

その繋がりは嘘じゃない

否定出来ない






私は一枚だけ記憶に留めることにした

あの時もう既に利用できない状態で出会った事に

意味を見いだしたいから






ワケなんかきっと無い

でも見つけてしまったものは忘れたくない






今夜はちょっと我が儘な

そんな子供っぽい気分の夜