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【魔法少女っ】39-1、人間ネガイナー!

2011年10月21日 04:14

ミスコンを制するのは、月山有希でも東原琴でもない。このわたしだっ!」
中等部3年の双月さつきは野望に燃えていた。
高等部の独せん場であったミスコンに新たなる風を吹き込もうという、一見、無謀な挑戦である。
でも皆さんにも幼いときなかったか?自分ならば、世界を変える事さえできるという強い自信を持ち、無謀な事をした経験が。
「その願い、聞き届けてやろう」
独特のイントネーションでひとりの男がさつきに話しかけた。
ネオバビロニア4将軍のひとり、ムッツリである。
「応援してくれんの?ありがと~!」
テンションあげて、さつきは礼を言った。
「絶対に勝てるように、おまじないをかけてあげるよ」
ムッツリはさつきの抱えるギターケースに黒いカードを投げつけた。カードはギターケースに染み込むように消えた。
パフォーマンスのときに、強く願いを込めて演奏すればいーよ」
「言われなくても、わたしはいつだっけ全力疾走よ~」
「ではごぶうんを」
舞台袖から去るムッツリ。

「さぁ、次に参りましょう。エントリーナンバー5番。今大会での注目株、高等部2年、東原琴さんです」
放送部が琴の出番を告げると、
「わー!!」
会場の歓声が高まった。

あらあら。皆さん元気よね~。うふふ。可愛い。それでは、東原琴。パフォーマンスを始めます。と言っても歌って踊るなんて不向きなもので。そこで今日はわたしの得意なものをご覧に入れますよ」
琴が指をならすと、スタッフが転がしテーブルを次々と運んできた。
「な、なんと、色とりどりのスイーツステージ上に並べられました」
放送部はスイーツのひとつひとつにカメラをあて、スクリーンに拡大して映し出す。
繊細かつ大胆なスイーツ類が!
「わたしはお菓子づくりが趣味です。会場の皆さんに食べていただきたいですね」
「では、まずは審査委員のひとり、羽前グランドホテルシェフさんに見て戴きましょう」
常に長いコック帽子を被っている男がスイーツに近寄る。
「見た目には凝ってるが、味はどうかな」
ぱく
……。
うーまーいーぞー!!」
どかーん
そんなわけで琴のスイーツは会場に配られたそうな。

「さあ、次々と参りましょう!エントリーナンバー6番。勇気あるチャレンジです!中等部3年、双月さつきさんです」
ざわざわ……!
「いえーい!みんなー!楽しんでくれてるかーい!」
さつきはエレキギターを抱えて叫んだ!
「今宵はこのわたしのオンステージ!いっくよ~!「秋もマシンガン」」
「今だ!いでよネガイナー!」
観客席からムッツリが跳躍してステージに立った。
「え?さっきのひと?」
ずぎゃあああん!
マシンガンマシンガン♪」
エレキギターネガイナーになった。それだけではない。それに直に触れていたさつきをその魔力は取り込んだのだ。
「ふははは!俺の歌を聴け~い!」
じゃかじゃかじゃか……

「に、人間をネガイナーにしたんだず?それじゃあまるで……」
観客席で驚愕するレイチェル。人間をネガイナーにするのに、何か覚えがあるらしい。
そして、ネガイナーに取り込まれたさつきの歌声はやかましく、不快なサウンドであった。
次々と苦しみ倒れる!

「くっ!」
その様子を見て何もできない自分を悔いる有希だった。

続く!

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