デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

創作物『小織』 05

2009年05月04日 11:48

創作物『小織』 05

.
.
.
.
.
.
.
CEAN.5
忘れられた問題


まず 小織に 改めてたずねることにした

「俺と小枝が お父さん お母さんなのは間違いないの?」

「うん、だって お父さん お母さんだもの」

「なるほど」

僕は 納得した

小枝が 口を出す

「ちょっと、そんな あっさり納得しないでよ」

「あ、 ああ、そうだな」

「ちと 交代しなさいよ」

今度は小枝が 小織にたずねた

「ねえ 小織 ようく考えてね あたしはともかく

伊織は お父さんなの?」

どういう聞き方をするんだ この女は

そう思ったが しばらく 見ていることにした

「お父さんだよ、なんで?」

伊織が お父さんなのね」

「うん」

小枝は 振り向き

「やっぱ この子 あなたの子よ」

「おい....」

「お母さん いつも言ってた 」

「ん?」

伊織みたいに なっちゃ駄目よって」

「げっ...」

「おまえ そんなこと言ってたんか?」

「いや あれはね、 違うのよ」

「何がだ?」

「言葉の勢いっていうか あやってやつでさ」

焦って言い訳を はじめる小枝

「あー よく わかった、そう思ってたわけだな」

「いや だから そ、それはぁ」

小織が ぽつりとつぶやく

「でもね、お父さんも 同じこと言ってたよ」

おっと、今度は こっちにふったか

しかし 小織 こいつ わかってて 言ってるんじゃないだろうか?

伊織ぃぃ....」

あ、 やばい小枝が 切れた

「あんた 小織 生まれたとき小枝みたいになればいいねって

あれ、嘘だったの ?」

「いや、 そ、それは...」

「ああ よおく あんたの性根 わかったわあ」

「いや、そのさ」

「なんで あんたみたいな男の子ども生んじゃったんだろ」

「おい、小織の前で そんなこと言うじゃない」

しまったと言う顔の小枝

平然と 小織が言う

「平気だよ、だって いつもだもん」

「.........」

「.........」

僕らは 2人して 絶句した

その時 僕は 再び 僕らの会話のおかしさに気づいた

「ちょっと 待て小枝

「なによ」

「落ち着いて 今 俺らのした会話思い出せ」

「ん、ちょっと 待って...思い出したわよ」

「何か 気づかないか?」

「何を?」

「整理するぞ、俺みたくなるなってことで言い訳したな」

「したわね」

「で、俺も同じ事言ってたと」

「むかつくわよねえ」

「そういう事じゃなくて 俺達は 前 小織とそういう会話を

したことが あるってことだろ」

「当たり前じゃな....あれ?」

「さらに 俺みたいな男の子ども 生むんじゃなかったとも言ったな」

「あ.......」

「生んだ記憶あるじゃないか」

「え、えええええええええええええええ」

小枝の 混乱は よくわかる

僕にしてもそうだ さっきまでなかった記憶が

無意識に 追加、そうすり替えとかそういうのではなく

追加されてしまっている

どういうことか?

ただ、それを 悩むより 状況整理という事を忘れてたのに僕は気づいた

「忘れてた、状況整理してたんだな」

「あ、そうよね、忘れてたわ、まずは 状況整理しましょう」

もはや、そういう問題じゃないような気はしていたが

その当たりは 棚上げしとくとこなんかは

さすがだなと われながら呆れ感心する

「ええと はっきりしてる事は....」

「お父さん お母さんが 混乱してる...」小織がつぶやく

「そう その通り」

「そうね」

ハッと 顔を 見合わす2人

「おまえが 言うなぁぁ 小織」

思わず2人 怒鳴ってしまった

「だって、だって......」

小織が 泣き出してしまった

「あ、泣くな 小織」

「なかないで 小織」

小枝が いきなり 僕のほほを叩く

「大体 あんたの記憶が 曖昧だからいけないのよ」

「おまえだって あやふやだろうがぁぁ」

「お父さん お母さん喧嘩しちゃ いやだぁぁ」

鼻声で 訴える小織

しかし はたから見たら見事な掛け合い

夫婦漫才かぁぁ おれらはぁ」

「親子漫才でしょぉ」と小枝

突っ込みありがとうよ」

「どういたしましてえ」とヤケになってる小枝

「クスクス...」と 笑う小織

今度は 笑ってやがる

我が娘ながら なんだ こいつは...

小枝 おまえなぁ」

伊織 あんたねえ」

二人 あわせたように

「どういう育てかたしたんだぁぁぁぁぁ」

もはや 問題そっちのけな 僕らの絶叫は

部屋に響きわたった

それにしても 防音設備だけは しっかりした部屋でよかった

そういう問題か 自分!

しかし 気づかないうちに 小織が自分たちの子どもだと

認めきってるな 僕たちは.......

このデジログへのコメント

まだコメントがありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

やがみ

  • メールを送信する

やがみさんの最近のデジログ

<2009年05月>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31