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レス女

2023年06月28日 10:14

こういう出会いもあるだろうな・・・っていう妄想w



夫とのレスで苦しんでいた私は、ある男性との出会いで、辛い日々から抜け出せました。
レスの苦しみをわかり合えたのは、初めてでした。
自分でも信じられないことですが、その男性と知り合ったきっかけは、あるサイトです。
夫にはもちろん、親しい友人にも誰にも言っていない、私の身に起きた出来事をここで告白します。
私たち夫婦性生活は、結婚後2年もすると消滅していました。
結婚したのは、私が25歳のとき。3つ年上の夫は、大学時代バイト先であるレストランの先輩でした。
そのまま同じレストランチーフとして働き続けている夫は多忙で、帰宅は深夜になることもあります。朝早くから洋菓子店でパートをする私とは生活時間が合わず、互いの睡眠を邪魔しないよう別々の部屋で寝ています。
それもあってか、すれ違いが増え夫婦生活が減っていったのは、今から1年以上前のことです。
夫婦生活がなくても平気な様子の夫と比べ、私は欲求が溜まる一方でした。
趣味でフットサルをやっている夫とは違い、無趣味の私は、何かに没頭して気を紛らわせることもできません。誰かに会いたくても、友人たちは結婚就職で皆遠方へ引っ越しています。
連絡をしたくても、育児真っ最中の女友達が多く、育児中は連絡に返信する余裕もない、とSNS育児マンガでたまたま目にしてからは、ますます連絡をしにくくなっていました。
夫とは不仲ではなく、離婚したいほど嫌なわけではありません。
でも、欲求が溜まっていく一方の毎日に、私はどうしようもない虚しさを抱えていました。
夫婦生活がないことについて、話し合ったこともあります。
ですが、夫から明確な答えはなく、もう性的なことをする気がない様子だけがはっきりわかりました。
恥ずべきことと思いながらも、1人で自分を慰めたこともありました。
最近ではセルフレジャーなどと言われ、美容グッズのようなかわいい見た目だったり、人気モデル宣伝したりしているグッズもあります。これなら恥ずかしくない、と勇気を出してネットで購入してみたんです。
が、どうしても、セルフでは満たされない自分がいました。
グッズではなく、男性に抱かれる快楽を感じたい。
夫以外の男性でもいいから、私の身体に渦巻く女の欲を正面から受け止めて、思い切り解放されたい──。
そう思い悩んだ末に、私は、最近利用者が増えていると聞いた、出会いのサイトを開きました。
私の欲望を叶えるには、日常生活とは離れたところで相手を見つけるしかないと思ったのです。
サイトを開いた私は、「新規会員登録ボタンを押し、性別や年齢を入力します。
(……でも、こういうサイトに登録するなんて、本当はいけないことよね)
やっぱりやめようかと、何度も画面を閉じかけました。
しかし、このままでは、また虚しい明日がやってきます。そんなの耐えられません。行動しなければ、何も変わらないのです。
迷いながらも、残りの項目を入力します。
ニックネームは"美菜子"にしました。子どもの頃見ていたセーラームーンが最近再放送しており、特に好きだったセーラーヴィーナスの名前、愛野美奈子から取ってつけた名前です。
そして、清水の舞台から飛び降りる気持ちで確認画面に進み、仮登録ボタンを押しました。
ブーッ、ブーッ。スマホが震え、サイトから届いたメールを開き、URLをクリックすれば登録は完了します。
「……」
私はURLを押しかけたまま、動けずにいました。
まだ、引き返せる。ためらう気持ちが再び顔を出します。
でも、ここまできたのに引き返したら、また不満ばかりの日々。いくら考えても同じこと、進まなければ虚無が続く、その現実は絶対に変わらないのです。
(とりあえず、登録だけしてみよう。それだけでも気が晴れるかもしれない。それに、登録するだけ、サイトを覗くだけなら、不倫でも何でもない)
自分の中で押し問答をした結果、ついに、私はURLをクリックしました。
『登録完了!』
そんな文字とともに画面に現れた可愛らしいキャラクターに少しほっとした私は、サイトのトップ画面に進み、掲示板などのコンテンツを眺めます。
そこでは、大勢の男性が書き込みをしており、圧倒されました。
年齢や既婚・未婚問わず、様々な男性が多種多様な相手を求めていることがわかりました。
中には「家庭ではレス」と書いている男性もおり、同じような人もいるんだと、私の心に満ちていたネガティブなものがわずかに和らぐのを感じました。
こうして、登録はしたものの、自分からメッセージを送る勇気はなく、ログインしては掲示板や日記を眺めて数日が経ちました。

出会いのサイトに登録して数日。男性から何通かメールが届きましたが、短文や突拍子もない誘いばかりで、相手のことを知る気も気づかいもなく、会えれば誰でもいい乱雑な雰囲気があり、返事を返せずにいました。
そんな中、出勤する夫を見送り洗い物をしていると、1通のメールが届きました。
『初めまして、美菜子さん。誠(まこと)と申します。僕は35歳で、普段はIT技術者の仕事をしています。実は、僕にもレスの悩みがあり、このサイトにたどり着きました。美菜子さんと僕は、求めるものが似ていると感じました。僕は……』
こんな文章で始まるメールは、私のプロフィールをちゃんと読んだ上で送ってくれたとわかる丁寧な内容で、この方と話してみたい、とすぐに思いました。
プロフィール写真を見ると、イケメンではないものの、穏やかで人の良さそうな笑顔の男性です。
日記を見ると、趣味の食べ歩きや出張で行った先の景色の写真が、柔らかい文章とともに投稿されています。サイトにいる男性の中には、偏った意見や何かに批判的なことを書く人もいたので、誠さんの日記には純粋に好感を持ちました。
ただ、彼の住まいは少し遠方です。サイトで会う勇気をまだ持てなかった私は、遠方住まいだからこそ身元がバレる可能性も低く、会うこともそうそうできないだろうと思い、メールで話すだけなら、と自分に言い聞かせ、返事をしました。
「メールありがとうございます。誠さんは、どのくらいレスなんですか? 奥さんとの仲はどんな感じですか?」
『うちは、仲は良くも悪くもない何とも言えない感じで、レスはもう5年以上になります。妻のほうが、もうそういうことはしたくない、と。うちの場合は、以前から……』
誠さんは、1通のメールにいくつも書いた私の質問すべてに答えてくれました。
「5年ですか、長いですね。私はまだ1年なんですが、中々解決しなくて」
『わかります、本当に。まだ1年なんて言わないでください。この1年間、美菜子さんは色々なことに葛藤されてきたのだろうと想像できます。僕も同じなので。ずっと拒否され続けるのって、本当に辛いですよね。僕は精神的に不安定になりかけたこともありましたが、美菜子さんとこうしてメールで話せて、とても嬉しいです』
セックスレスの辛さを、初めて誰かにわかってもらえた──。
私は自然と涙ぐんでいました。ずっと、レスの苦しみを人にわかってはもらえないと思っていたのです。
リアルでは話せない話題を打ち明けられることで、こんなに救われた気持ちになるのだと、初めて実感しました。
それから、私と誠さんは、毎日何通もメールを交わすようになりました。
家庭のことだけでなく、仕事のこと、好きな食べ物の話や最近見たドラマの話、世間話など、誠さんとやり取りを重ねるごとに、今まで埋まらなかった部分が満たされていったのです。
『こんにちは。やっと休憩なので、社食カレーを食べてます。美菜子さんはお昼はいつもどうしてるの?』
『今日も1日本当にお疲れ様! また明日もお互い頑張りましょう。おやすみ』
料理、掃除などのやらなければならない家事と、代わり映えしないパート仕事のルーティンだけの毎日に、彼とのメールが加わることで、モノクロだった毎日の景色が色彩豊かになりました。
おはよう。今日はパート先の店長さんの誕生日なので、サプライズケーキを焼くために早めの出勤です」
『仲の良い職場なんだね。そういう優しさのある美菜子さんのことが、僕は好きだな』
好き、という一文に、胸がドクンと高鳴りました。夫以外の男性に好意的な言葉をかけられ、とても舞い上がっている自分がいました。甘いメールをもらえることが、嬉しくてたまらないんです。
私は、誠さんからメールが届く度にドキドキするようになっていました。
さらには、返事が来ないときでも、今何をしてるのかな、私のことをどう思っているんだろう、という思いが自然とよぎり、頭の中の大部分を彼が占めていました。
ただ、このことを夫には絶対に知られてはいけません。家ではいつもと変わらず夫に接し、いつも通りパートへ行き家事をこなしました。
そんな彩りのある日々を送っていた中、その日は突然やってきました。

続く・・・

このウラログへのコメント

  • 和「1968」 2023年06月28日 20:28

    読み応えのあるお話です
    続きが楽しみですね

    女性はこんな気持ちで登録しているのかな?

  • クリリン♪ 2023年07月01日 17:56

    吸い込まれるような文章で読んでる時間も忘れるほど、集中してしまいました(笑)
    続きがとても楽しみです。

    生活の時間を妨げない範囲での
    投稿楽しみにしてます♪

  • 奈美枝 2023年07月05日 14:33

    > 和「1968」さん

    そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。
    こういう気持ちで登録する女性もいると思います…!

  • 奈美枝 2023年07月05日 14:34

    > クリリン♪さん

    ありがとうございます!とっても嬉しいです。
    はい、無理しない程度にまた投稿したいと思います!

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