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ガチであった体験談を小説っぽく書いてみた②#思い出ストーリー

2023年04月11日 10:14

ー前回の続きー
マスクを外し、グラスを持ちモスコミュールに口をつけた彼女の顔は、大した期待をしていなかったこともあり、予想以上の美しさだった。特級の美人とまではいかないが、うちの職場女性陣に混ざったら1,2を争うほどの外見だ。
切れ長の目と高い鼻、真っ赤なリップの整った唇をしており、モデルの菜々緒に少し似ている。
ごくっ。マスクを外しても美人顔の女性に出会えるなんて、僕は幸運すぎる。昨日までの鬱屈した日々の反動かもしれない。人生、悪いことの後には良いことが待っているものだな。
ルナを前に、ビールを流し込みながら美味いサラミをつまむだけで、今日の僕はもうお腹一杯、満腹状態だった。ご機嫌な声色でルナに話題を振る。
「男性用サウナって1回だけ行ったことあるけど、混むんですか?」
「週末はやっぱり混みますね。たまに満員になることもあって」
「へえ~。どんな感じのお客が多いんです?」
「客層は本当に色々だけど、仕事帰りのビジネスマンが一番多いかな。あとは、飲み帰りの中高年、スポーツマン系の人、元気いっぱいにはしゃぐ若者の団体から、早い時間はおじいちゃんのお一人様まで、色んな方が来ますよ」
客層について聞いた瞬間、ルナの目つきが少し変わったような気がしたが、気のせいだろう。
「なるほどね。サウナ、今度行ってみようと思います」
パソコン仕事なら、血行が良くなって肩こりにも良いかもしれないですね。汗をかいてデトックスした後のご飯もひときわ美味しいですよ」
「そうそう! 僕、パソコン仕事だから、肩こりがひどくて……」
こうして食事をしながら他愛のない話をするだけで、ずいぶんと気が紛れる。しかも、素敵な女性が相手だ。
出会いサイトって、すごいんだな。あんなにふさぎ込んでた僕が、人との会話でこんなに癒やされるなんて。うまいこと使えば、サイトって良いツールだ。

世間話から趣味の話まで、色々なことを話しながらデザートまでたいらげ、ふと腕時計を見ると、19時45分を指していた。営業終了まであと15分だ。
政府が要請する時短営業で、ここにいられるのは20時まで。終電まで飲んでいた頃から考えると、信じられないほど早い時間に店を追い出される世の中になった。
とりあえず、テーブルで会計を済ませる。
ダイキさんに全部払ってもらうのは申し訳ないから、千円だけでも」
「いえいえ、大丈夫ですよ、ごちそうさせてください」
「それなら、何かお礼に……あ、これ、差し上げます」
ルナが財布から出したのは、サウナの無料券だった。
「これは、ルナさんの職場の? ありがとう、今度行きます」
「お店、ここからすぐの場所なんです。私、ちょうど忘れ物を取りに行きたかったし、よければ今から行きます?」

ルナの案内でサウナ施設に向かい、数種類のサウナや風呂を無料で堪能した今日の僕は、もう十分満足だった。
「今日はありがとう、ルナさんのおかげで本当に良い1日でした」
受付の彼女に言い、帰り支度をする。閉店間際で、僕が最後の客のようだ。
「こちらこそ。あ、最後に渡す物があるから、こちらへ」
手招きするルナを追い受付裏の事務室に入る。
「売店の入浴剤のサンプル品が沢山余ってるから、どうぞ」
「いいね、使わせてもらいます」
入浴剤を手渡され、部屋を出ようとする僕の前に、
カチャリ。
ルナが回り込み、鍵をかけた。

この後、ルナがあんな行動に出るなんて、このときの僕には知る由もなかった。


ドアに鍵をかけたルナは、さっきまでとは違う怪しい笑みをたたえ、狭い事務室で僕の身体に密着する形で立っている。
「え、? なんで、鍵……」
突然密着するルナの、ふにっとした女性らしい柔らかな身体の感触に慌てふためいていると、
──カチャカチャッ、……!
立ちすくむ僕のジーンズのベルトが突如、手際よく外された。
「、!? えっ、──え」
訳がわからず、驚く隙もない僕の下半身が、生温かく、ぬるりとした、女の唇に包まれた。
「えっ、ちょ、なにっどういうこと……!?」
「──っ、ちゅぷ、じゅる」
ルナが僕の足元にひざまずき、あろうことか、僕のモノをがっぽりと咥え込み、上下に動かしている。
あまりにも突然の出来事に、僕は混乱し逃げることもできず、驚き立ち尽くしてしまう。
「──っっ……!」
しかし、こんな訳のわからない状況下でも、下半身はだんだんと熱さを増す。
前の彼女と別れてから、もう半年以上、女性関係はゼロ。
そこへ、お酒を飲むと元気になるタイプの僕、しかも、女性の綺麗な指先や大きな胸元を目の前に食事中から気持ちが多少昂ぶっていたところ、突如、ゼロ距離で刺激を与えられたのだ。反応するなというほうが無理がある。モノは、すぐにフルサイズまで成長した。
が、ここで突然、僕の理性が働き始めた。ルナを離れさせ、汗をかきながら問いかける。
「っ……ちょっと、待って!! いきなりすぎるよ、ルナさん、どっ、どどどういうことなの!?」
「咥えたくなったから、咥えただけよ。それ以上の理由なんてないよ」
「っ!? いや、だからって、こんなに急に……!?」
居酒屋で一瞬見せた、あの妖艶な目つきでルナが語り始めた内容に、僕はあっけにとられることになる。


密室で突如急接近してきたルナが、甘い吐息交じりで話し始める。
「……私ね、サウナ受付嬢を始めてから、男性客にカウンター越しに館内着を渡すたび、その男性がこれから服を脱いで、薄い生地の服に着替えるときの様子を想像するようになって。終いには、名前も身元も何も知らない、来る日も来る日やってくる男性客たちが、どんな身体をしているのか、どんな形でどんな大きさのモノを持っているのか、妄想が止まらなくなっていって。次第に、想像の中のものに触れたい、お客たちのモノを咥えたくて、仕方なくなってきたのよ」
「お客たちの、モノを……!?」
ますます訳がわからない。本当にそんなことがあるのだろうか。僕はさらに混乱する。
「でも、こんな、急に」
「嫌? 嫌だったら今すぐやめる、無理やりは良くないから」
絶妙な手つきで急所に触れられながら聞かれ、壁一枚を隔てた向こうにはまだ清掃スタッフなどがいる事務室内だというのに、身体がどんどん熱くなっていく。
「や、いや、嫌では、ない、正直ルナさんともっとお近づきになりたいと思ってた、下心がないわけではなかった、だけど、こんな、いきなり──」
「いきなり、したいのよ。素性をよく知らないまま、出会ってすぐにしたいの。それには、サイトを使うのが良いと思って」
狭い部屋にルナの香水の甘い匂いが漂う。彼女は、手の動きを速めながら妖艶な声で言う。
「素性を知ってしまったら、色々と余計に考えることが増えて、純粋にできないでしょ。私は、まっさらな状態で男のものと向き合いたいの」
「そっそんな、うっ──、!」
再び熱に包まれ、僕は身体を跳ねさせた。
『出会って4秒で合体』というシリーズもののAVを思い出した。
まさか、本当にそのような性癖女性がいるなんて──
……ウィーン……
自動ドアの開く音が聞こえ、僕はハッと我に返る。
「でっでも、まずいよ、職場なのに、怪しまれたら」
この期に及んで自分の中の常識的な部分がなぜか出てきてしまう。経験のない出来事に、僕は激しく混乱している。
「そうね、ならこのまま……だって、もういきそうよ、もう、すぐじゃない」
「いっいや、そんな……っ」
──お疲れ様~……
ドアの近くに人が来たようだ。まずい。
すると、ルナが僕を激しく吸い上げてきた。まるで巨大な台風の渦に巻き込まれたかのようだ。全身に、真っ赤な嵐が吹き荒れる──
「だめだ、まずいよ、このままだと──ウッ……!!」
勢いよく放出されたものは、すべてルナの赤い唇に飲み込まれていった。

「、……」
帰りの電車にドサリと座り込んだところで、僕はやっと平静を取り戻し始めていた。
色々と、思うことはある。が、ただ1つだけ間違いないのは、サイトをやらなければ、僕はこんなに刺激的な経験をすることはなかったということだ。
待ち合わせに来たのは、痴女系女子だった──。
ルナの白い指先や赤い唇のぬくもりを思い出し、僕のほうもあらゆる想像を脳内で巡らせていた。

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