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るり子の処女性(エピローグ)

2018年10月13日 00:07

オレ早川聡太。19歳。
この春、1浪の冬を乗り越えてめでたく第一志望の大学に合格した。
スポーツは何でも得意。顔はまぁ悪くない、と思う。ファッションセンスはかなりいい(これは母親アパレル関係だからかな?)。

そしてそして!
自慢するわけじゃぁないけどオレはセックスが上手い。
あ、もちろんおっさんの年季の入ったエロには敵わないかもしれないけど、でも女の子を喜ばす素質はあると思うんだ。
オレと付き合った女の子は、別れて別のやつと付き合っても、しばらくすると俺に連絡をしてくる。彼のことで相談があるとか何とか言って。

そのくせマックでどうでもいいような話を延々としながら、ちらちらこっちを上目遣いで見たりする。
そんな時、大抵ブラウスボタンは一つ余計に外している。

だからオレは髪の毛なんかを引っ張りながら言ってやる。

「お前相変わらず色っぽいなぁ。したくなっちゃうよ」

そうすると元カノ

「えーー?そう?」

なーんて言いながらもまんざらじゃない顔をする。
だからもうひと押ししてホテルに連れ込むと自分から抱きついて来て、そんな時のパンツの中はグチャグチャになってるんだよな。それで

「アーン、やっぱり聡太のがいい! 忘れられなかったのぉ!!もっと気持ちよくしてっ」

と乱れまくる。
終わるとスッキリした顔で、また遊んでね、なんてあっさり帰るから、ま、なんだかなぁと思う時もあるけど。。。。


オレは言って見れば研究熱心。とにかく女の子を気持ちよくしたい。



でも、オレがこんな風になったのには理由があると思うんだ。
誰に言ったことはないけど、オレには秘密がある。それは小学校に上がる前、保育園に通っていた頃のことだ。
園では毎日お昼寝の時間というものがあった。
ガキだから遊び疲れてぐっすりの時が多いけど、自分だけどうしても眠れない、なんて時もある。でも騒いだりしたら先生に怒られるから黙って寝たふりをしているわけだけど。

やっぱりそんな寝たふりをしていたある日、オレの顔をつつくやつがいた。
目を開けると隣に寝ていた女の子も起きていて、オレに小声で話しかけて来た。

「そうたくん、ねてた?」

オレは

「ねてねーよ、なんだよ」

と返すと、その子は指を唇の前に立ててシーッと言ってからジリジリと体を寄せて来た。
そして、布団の下から手を伸ばしてオレの手を掴むと

「ねえほら」

といって自分の体を触らせてきた。

(??????)

と思ったけど、子供でも女の子の体ってなんだか、、、つい触りまくってしまった 笑。これって絶対、男の本能だよな。

その子は小さな声で

パンツに手いれてもいいよ」

と言ってきて、オレは言う通りにした。
すごい変な感じだった。だってチンチンが無いんだぜ?
チンチンがあるはずのところはふわふわで柔らかくて、触っているだけでこっちも気持ちよくなって、でもこれ絶対見つかったら怒られることだよなって、子供心にも分かった。

だから息を殺して触ってた。
女の子の方も寝たふりして目を閉じているんだけど、なんか気持ち良さそうなんだよな。時々ため息なんかついたりして。


それがるりちゃんとの出会いだった。


イケナイお遊びは小学校に入るまで続いたかな。お昼寝時間だけじゃなくて、子供ならしゃがめば隠れてしまうような建物の陰とかでちょっとだけ触らせてもらったりもした。
たわいない子供の遊びで、楽しかった。というよりも触りたかったよ、単純に。
彼女とは小学校で離れてしまってそれきりだったんだけど、やっぱり子供の頃にそういう経験をしちゃうと、性の芽生え?そういうのも早いじゃ無い。

大人に近づくにつれて、るりちゃんのあの顔はやっぱり気持ちよかったからなんだ、なんて思ったりしてさ。
他の女の子もあんな風に触ってあげたら気持ちがいいのかな?とか。。。



オレが女の子を気持ちよくしてあげたいって思うようになったのはるりちゃんとの出会いがあったからだと思ってる。
忘れたことは無かったね。


だから、高校3年生の予備校の夏期講習で彼女を見かけた時は驚いた。
10年以上会っていなかったわけだけど、小さい頃の面影があってすぐに分かった。
それに友達に「るり子」って呼ばれていたしね。


それからはもうかなり気になって、いつも探していたけど、めったに姿を見かけることは無かったし、見かけても話しかける機会もなかった。




受験に向けて周りがピリピリしだした11月頃、オレは予備校の帰りに久しぶりに彼女を見かけた。
珍しくオレも彼女も一人だったので、今日こそ声をかけようと近づこうとした時、慌てた様子で書店から出てきた男がオレを追い越して彼女に声をかけた。

男はサラリーマン風の中年だった。
るりちゃんは立ち止まって男を振り返った。その様子から知り合いではなさそうだとオレは思った。

彼女が困っているようなら助けようと思ったその時、二人は一緒に歩き始めた。

(なんだよ、ナンパかよ。てか、るりちゃんついて行くなよ)

オレはほんの少しの苛立ちと好奇心から後を追った。
思った通りナンパだったらしく、二人は繁華街の先にあるホテル街に向かっていき、あるラブホテルに吸い込まれて行った。
彼女笑顔こそ浮かべていなかったが特に嫌がるそぶりも見せず、普通の女子高生に似合わないその振る舞いに、オレはしばし呆然としてその場に立ち尽くした。





それから時々そのホテルの手前にある繁華街をうろつくようになった。
とは言っても受験生なので、メインストリートが見渡せるマクドナルドで勉強をすることにした。

彼女中年男がホテルに向かうのを見かけたのは全部で4回かな。
そのうち3回は出てくるところも見た。
ホテルから出てきたるりちゃんは疲れていて、ぼんやりしていて、何ていうか、とてもエロかった。

(あんな中年男とるりちゃんが、一体どんなことを)

二人のセックスを想像して、オレは勃起し、せっせとオナニーに励んだ。


そして案の定、大学受験に失敗した。




18歳の春、高校卒業
めでたく浪人生となったオレは、彼女が大学に合格したことを知り、猛烈に反省した。

おっさんセックスしながら第一志望に合格したるりちゃん。スゲェ!オレも負けるわけにはいかない)
合格するまで禁欲だ!)

オレは彼女と同じ大学に入るべく勉強漬けの日々を送った。

一年後、禁欲の甲斐あってかオレは大学に、彼女と同じ理学部合格した。
合格発表を見た翌日、オレは久しぶりにるりちゃんと中年男を見張った繁華街に足を向けた。

(二人は今も付き合っているのだろうか)
(やっぱりあれはエンコーってことなのかなぁ)

そんなことを考えながらブラブラと歩いていると、いつの間にかラブホテルが立ち並ぶエリアに来ていた。
合格したんだからセックスしていいんだ、そう思ったオレは下半身が無性に疼き、尻ポケットからスマホを取り出すと今すぐ呼び出せる女の子を探した。
何人目かの女の子に電話をかけ、留守番電話の音声を虚しく聞いている時、ホテルから出てきた人影に目が釘付けになった。

(るりちゃん、、、)

一年間見ない間にずいぶん大人っぽくなった彼女
また年上の男と一緒だが、あの時の男とは別人のようだ。

(あんなに幼い頃オレを誘ったんだから、るりちゃんはきっと生まれついての男好きで淫乱なんだな)

オレは彼女に近づこうとしてハッと足を止めた。
俯いていたせいでよく分からなかったのだが、明るいところに出ると、彼女と一緒にいる男が以前の中年男だと分かったからだった。

(いやでも本当に同じ男か?)

オレは目を見張った。
彼女がぐっと大人っぽくなったのは理解できる。
高校生大学生では年齢は1歳しか変わらなくても、女としてはぐっと大人びることもあるだろう。
しかし、男の老け方は異常だった。
中年というよりはまるで老人だと思った。
去年見かけた時は背筋も伸びて生真面目そうな、けれども男としての精力に満ちているように見えたが、彼女に付き従って歩く男は、背を曲げ肩を落とし、顔色も悪く、やせ細って全てを諦めた老犬のようだった。

と、彼女が振り向きざまに何ごとかを男に告げた。
男は卑屈な笑みを浮かべた後、手を伸ばして彼女に触れようとした。
その手が邪険に払いのけられた瞬間だけ男の目がギラついたが、つい、と男に体を寄せた彼女が再度男の耳に何かを囁くと、男はまた卑屈に笑い手を引っ込めた。


彼女は男を置いてさっさと歩き出した。
当然のようにオレには気付かず、横を通り過ぎて駅に向かって行った。
靴音と、風になびくサラサラとした髪の印象と、甘いような艶かしいような香りだけが残った。

男は、彼女の後ろ姿を見つめてぼんやり立っていた。




奇妙なものを見たと思いながらも、オレは受験から解放された日々を男友達女の子たちと満喫し、大学生活をスタートさせた。
そんなある日、校内で彼女を見つけた。
数人で談笑している。

何かの実習なのか白衣を着ていて、それはとてもよく似合っていた。
優秀なリケジョといった感じだ。

(得体の知れない年上の男とホテルに入って行くなんて想像できねぇな)

オレは今度こそ声をかけようと近づいていった。

「あの、すいません」

緊張で変な声になってしまった。

「るりちゃん、だよね?あのさ、オレ早川聡太。そうちゃん、覚えてないかなぁ」

彼女の真横にいる、やけに背の高い男が、なんだコイツ、という顔でオレを睨む。
肝心のるりちゃんは首を傾げたままだ。

「あれ?覚えてない?まぁもう10年以上だもんね。保育園で、、」

オレが言いかけた時、別の学生の

「もう行かないと授業に間に合わないよー」

という言葉で彼女たちは、口々にそうだね、とか今日もレポート出るかな?とか言いながら行ってしまった。
やけに背の高い男は、彼女に何か言って笑わせた後、振り返ってまた睨んできた。


オレは近くのベンチに座って空を仰いだ。

(あいつ、るりちゃんの彼氏なのかなーー)
(なんだよ、彼氏いるのにあんなことしてるのかよ)
(女ってわっかんねーーー)


と、突然強い力で肩を押さえ込まれた。

「なっ」

次の瞬間耳元で

「聡太くん、ひさしぶりだね」

アルトの声がして、長い髪がさらりとオレの方に垂れた。

「るりちゃん?!」

振り向こうとするオレを制して彼女はまた耳元で囁いた。

「ねぇ、また触りたくなっちゃった?」





オレの周りから音が消え、手足は痺れ、口がカラカラになった。

そうだ、オレはるりちゃんに触りたい、触るだけじゃなくてもっと、、、もっと、、、、、



老犬のような男の姿が頭に浮かんだ。
オレには分かっていた。
あれは、オレの、姿だ。



「せっかく逃がしてあげたのにまた戻ってくるなんて」


るりちゃんはクスクス笑い、オレは恐怖と幸せで恍惚となった。


(Fin)

----------------------------------------


あとがき

5日間にわたりお付き合いいただきありがとうございました。
この物語はこれにて終了です。

この話は、ある人のログを読んでいるうちに思いつきました。その人がどうしてそのような欲望で興奮するのかなという理由をあれこれ考えていたときに、ふと浮かんだもので、最初と結末だけパッと決まったので、あとは登場人物たちがどのように動いてくれるかだけでした。

これまでも、物語の片鱗を思いつくことは何度もあり、それをきちんとしたお話にまとめようと試みたことは何度もあります。
しかし、うまくいかなかった。
人物が全然動いてくれないし、途中も全然展開せず、数行書いては筆を置いてきました。
自分は、エピソードを思いつく才能エッセイ程度の分量を書く才能はあっても、構造を持った物語を構築する才能に関してはダメなのではないかと諦めかけていました。


でも今回は初めて動いてくれました。「これは最後まで書ける!」と感じました。
残業仕事を終えた遅い時間からの執筆はとても疲れました。正直、端折った箇所もあります。でも、これを書ききれば、自分の中の何かが変わる、という思いでとにかくるり子と男の心を追う日々でした。


おかげさまで、400字詰め原稿用紙にすると50枚程度、短編公募に応募できるくらいの量を自分は書くことが出来る、という実感を持つことが出来ました。

私の気持ちをかき立ててくれたフレンドさんはもとより、1話ごとに感想を書いて下さった皆さん、ありがとうございます。

支えられました。

さて、この物語は実は官能小説ではありません。エピソードとしてそういう関係性をモチーフとしただけです。かといって、サイコホラーでもありません。
もちろん、何かぞっとしたものを感じてくれればそれはある意味成功であり、大変嬉しいです。

私がこの物語で書きたかったことは二つ。

一つ目は、関係性の変容です。
るり子と男は男女が逆でもいいんです。同性同士でもいい。
ただ、人間関係というのはとてもあやふやで、役割が決まっているようでも些細なことでそれが変転してしまう。
その瞬間に遭遇した人の不安、恐怖、恐慌、現実感覚の喪失、そういったものに興味があり、書いてみたかった。


二つ目は、共感するということの落とし穴、みたいなものです。

るり子と男の両方から同じエピソードを描いたのは、二人が同じような経験をしていても微妙に感じていることが違うのに、行き着く先が一見同じだと、相手も自分と同じように感じ、考えているとなぜか思い込んでしまう。そんな感じを表現したかったからです。
人って面白くて、通じ合っている、わかり合っていると思うのが大好きですよね。
そう感じれば感じるほど何も確認しなくなり、最終的に自分が望まない結末を得た方は、怒ったり絶望したりします。でもそれって、相手は意図的にあなたをだましたのでしょうか?

そんなことが描けていればいいなと思いますが、読み返すとまだまだ稚拙で、反省ばかりです。




でも、作者による作品解説ほど野暮なものはありませんね。
あとは読み手に委ねたいと思います。

肩すかしを食ったと怒っても、もちろんいいですよ^^

週末でお休みの人も多いと思います。ゆっくり読み返していただければ嬉しく思います。

このウラログへのコメント

  • ヨシサマ 2018年10月13日 00:18

    良く男性を理解している作品です
    私は小学4年生から射精が始まり大事なところから膿が出てきたものと悩んでいましたが揉み揉みすると気持ちが良くなり出してました
    女子も丸みを帯びた大人の体になっていきます

  • 与那国島 2018年10月13日 00:42

    るりちゃん …… お疲れ様でした(^-^) 今夜は冷えるから 温かくしてゆっくり休んでね(^-^)v おやすみ~♪

  • るりいろ 2018年10月13日 00:42

    > ヨシサマさん

    家族や友人に物書きがいると、なんとなくいやな気分になるそうです。
    いつも観察されて、いつかネタにされそうだから

  • るりいろ 2018年10月13日 00:44

    > 与那国島さん

    ありがとうございます。
    与那国さんも南の島の夢を。。。

  • のりすけ 2018年10月13日 01:21

    ねぇ、小説の書き方、どこかで学んだの?

    作文、論文とも違い、小説ですね

    このログよんで、小説の内容より、その書き方、手法、まで考慮した小説であったことに驚いています

  • るりいろ 2018年10月13日 01:23

    > のりすけさん

    ありがとうございます。
    とても嬉しい感想。
    勉強は全然してないのです。でも書きたいなとは思っていて、今回初めて少しそれらしいものになったかなと思っています^^

  • makoto 2018年10月13日 07:51

    とても楽しく読ませていただきました。共感については興味深い考察でした。解説もなるほどと感心しました。人物の心理、関係性の変遷などが官能的な描写で盛り上がりつつ綴られ、興奮と共に最後は怖さを感じました。

  • theworld 2018年10月13日 09:32

    Twilight Zoneや世にも奇妙な物語みたいな人間関係の隙間にある不安、恐怖を描けていて、これにSF要素や犯罪要素を入れると怪奇大作戦みたいなるなぁなんて思いながら楽しませて頂きました。

  • ひろ 2018年10月13日 11:03

    ○○君ひさしぶり、長い髪がさらりと垂れた
    このシチュエーションはたまらなく好きです*^^*

    〃せっかく逃がしてあげたのにまた戻ってくるなんて〃

    俺も戻っちゃいそうです ←物語のるり子さんにですよw

  • るりいろ 2018年10月13日 20:52

    > makotoさん

    怖さを出すの、難しいわ。
    想像では怖いと思っても文章にすると全然…
    読んでいて怖い!と思う小説は何が怖いのかもっと研究しないと。
    でもよく読んでくれて、嬉しかった!ありがと

  • るりいろ 2018年10月13日 20:54

    > theworldさん

    そうね、ああいう日常の隙間、みたいな話が書けると良いなぁ。まだまだです。
    ありがとうこざいます

  • るりいろ 2018年10月13日 20:55

    > ひろさん

    戻って何度でも読んでください(^-^)
    ところで私、るり子じゃなくてるりいろなんで、よろしく

  • よーし! 2018年10月15日 09:30

    ふっと思いついて、ここまで書ける。って、ただただすごい

    本書く人、コラムでも、そんな才能が微塵も無い俺からしたら、書ける。って事に、ただただすごい。ばっかりでした

    もう1回、しっかり読み直しますね

  • ★al 2018年11月05日 01:28

    ドリアングレイの肖像を思いだした。
    第三者の視点でるり子の妖しさが出てました。

    若い頃の哲学系はためになりますよね。

    おもしろかったです。

    デジカフェ文学大賞
    受賞。

  • るりいろ 2018年11月05日 08:04

    > よーし!さん

    返信してませんでした!
    お褒め頂きありがとうございます!
    ずっと一貫した物語を書いてみたいと言う望みがあったので、今回いい練習になりました。

  • るりいろ 2018年11月05日 08:07

    > ★alさん

    ありがとうございます。
    ストーリーは思いつくのですが、肉付けが難しく。、でも今回なんとなく物語としてまとめられたので、書ける実感を得ました。
    妖しさを感じてもらえて良かったです。

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