【お題日記＠あおくま】映画館を舞台にエッチな妄想教えて

妄想でいいんだｗ
実際に暗い中でした体験とかでなくｗ
久々に物書きとしてやってみっか！

じゃあ以下、妄想。


……気まずい。
彼女との初めてのデートのプランとして、失敗しにくい無難なものを選んだつもりだった。
洗練された都会、とは言えないまでも、そこそこ充実した施設が並ぶターミナル駅。
待ち合わせのメッカとして地元民に知られた、この都市出身のアーティストがデザインしたという、変な形のモニュメント、そこで彼女と午前１０時に待ち合わせて、落ち合ったのが午前９時。
初デートで気合が入りすぎたというより、緊張してあまり眠れなくて、朝早くに家を出てしまった結果、待ち合わせの１時間も前に目的地についてしまった。
そしたらまさか彼女がもうそこにいるなんて。
……ひょっとして彼女も緊張で眠れなかったのかな？？
なんてことは頭にはなく、ただ単に彼女と早く会えるのが嬉しかった。

今日のデートプランはこうだ。
午前１０時に待ち合わせ（ある意味もうすでにここで破綻しているが）
駅前のショッピングモールをぶらぶら冷やかしたあと、気取らない程度にオシャレな喫茶店でランチを楽しみみながら、共通の友人の話題なんかを出して、初デートへの緊張をほぐす（ちなみにここも失敗した）
午後１時半から、彼女が好きだと言っていた俳優さんが出演している映画を鑑賞。
その後、マックかどっかで映画の話題で語り合った後、彼女の最寄り駅まで電車を乗り過ごして送っていく。
プランとしては非のうちようがないだろう。完璧だ。神だ！
しかし、無難と思われた映画鑑賞にあんな罠が隠されているなんて、思ってもみなかった。

彼女のお気に入りのイケメン俳優が主演している新作映画は、ファンタジックなＳＦだと聞いていた。
確かに、敵国に囚われた姫君を取り戻すために奮戦する主人公の心の強さ、勇猛さには、特にかのイケメン俳優のファンではない自分もとても感情移入してしまい、席に着く前に買ってきたポップコーンやドリンクのことをすっかり忘れるほどだった。
……それがどうしてこんな展開に。
上演時間150分という長編映画のうち、始めの40分ほどは、確かに剣や魔法が飛び交う、息もつかせぬアクションシーンの連続だった。
じゃあ残りの110分ほどはといえば……

『あっ……そこ、もっと！！』
『あああ、そんなことされたら、わたしっ！！』
『あ、だめ、だめっ！！……ああっ！！』

これはいったいどうしたことか。
助け出された姫君とイケメン俳優の主人公が裸で睦み合う場面ばかりが、スクリーンに映しだされていた。
囚われていた牢獄内に始まり、仲間が壮絶な最期を遂げた草原で。
決戦前夜、最後の夜になるかもしれないと、仲間と酒を酌み交わした宿屋で……しかも途中で仲間の女性が乱入して、そのまま３人で行為が続いたりもした。
止めないのかよ、女よ！

気まずさをまぎわらせようとポップコーンへ伸ばした手が、不意に捕まれて、驚いた自分がそちらを見ると、熱っぽい目で見つめる彼女の目が。
そして、自分の手が彼女によって、その胸に導かれて……
え、ダメだよ、こんなところで！
（じゃあさ、ここじゃないとこなら、いいの？）
顔を近づけて囁いてくる彼女の吐息に、やわらかい胸の感触に、何かが蕩けさせられていく。
（あたし、あういうの、してみたいなぁ）
彼女の視線と声から伝播した熱が、自分の身体を熱くする。
（ね、あたしの身体、興味、ない？？）
もう、抗うことはできない。彼女の虜だ。

興味は、ありまーす！
かくして今日のデートプランは変更となった。


おしまい。
またつまらぬログを書いてしまった……。